東アジアの進行固形癌とリンパ腫患者を対象とした、経口オーロラAキナーゼ阻害薬MLN8237(一般名:alisertib)のフェーズ1試験(C14013)で、フェーズ2試験への推奨用量は30mgであり、抗腫瘍効果も期待できることが明らかになった。東アジアでの投与量は欧米での投与量50mgより少ない結果となった。8月29日から宮城県仙台市で開催された第11回日本臨床腫瘍学会学術集会で、韓国Samsung Medical CenterのWon Seog Kim氏らが発表した。

 試験は韓国、台湾、シンガポール、香港で実施された。対象は、転移および/または進行固形癌またはリンパ腫患者。1サイクル21日としてMLN8237を1日2回(BID)、7日間投与した。試験は3+3デザインで、MLN8237の用量を30mgから開始して漸増した。用量制限毒性(DLT)は1サイクル目に評価した。抗腫瘍効果を固形癌はRECIST v1.1で、リンパ腫はIWG基準を用いて評価した。

 2013年8月のカットオフまでに36人が登録した。年齢中央値は59歳、中国人が22人、韓国人が13人、そのほかが1人。原発巣は大腸が12人、胃・食道が3人、肺が2人で、リンパ腫が9人、肉腫が2人、そのほかが8人だった。

 試験の結果、30mg BID投与で1人にDLTが認められた(グレード3の倦怠感とグレード4の好中球減少)。40mg BID投与で2人にDLTが認められた(グレード3の口内炎、グレード4の好中球減少症)。そのため最大耐用量は30mgとし、フェーズ2試験への推奨用量は30mg BID投与と決定された。

 抗腫瘍効果は35人で評価された。節外NK/T細胞リンパ腫の患者1人で、3サイクル投与後に部分奏効が認められた。また18人で病勢安定と判断され、10人は病勢安定が3カ月以上継続した(3.1-8.15カ月)。

 治療関連の有害事象(AE)が34人(94%)に認められ、グレード3以上が26人(72%)で、10人(28%)に重篤なAEが見られた。主なAEは好中球減少症、下痢、口内炎、脱毛、倦怠感だった。1人が肺塞栓症で死亡したが、治療関連ではないと判断された。

 薬物動態試験で、MLN8237の最高血中濃度到達時間(Tmax)は2-3時間、半減期はおよそ15時間であった。投与量補正血中濃度の平均は、すでに報告されている欧米人での結果に比べ、東アジア人では70%高い結果となった。

 欧米では固形癌や血液癌を対象としたMLN8237の臨床試験が進められている。2012年3月に再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫を対象としたフェーズ3試験が欧州、北米、中南米、アジア太平洋地域で開始された。日本でも、進行性固形癌および再発・難治性非ホジキンリンパ腫患者を対象としたフェーズ1試験が行われている。