進行固形腫瘍の日本人の患者に対し、ombrabulinとパクリタキセルおよびカルボプラチンの3週間隔の併用療法は忍容性が良好で、推奨量は海外と同量であることが、フェーズ1試験から示された。8月29日から31日まで仙台市で開催された第11回日本臨床腫瘍学会学術集会で、兵庫県立がんセンター腫瘍内科の松本光史氏が発表した。

 ombrabulinはコンブレタスタチンA4の誘導体で血管崩壊剤である。海外の臨床試験では、ombrabulin、パクリタキセル、カルボプラチンの併用療法の推奨量は、 それぞれ35mg/m2、200mg/m2、AUC 6と報告されている。

 松本氏らは、日本人の進行固形腫瘍の患者を対象として、パクリタキセルとカルボプラチンとの併用療法におけるombrabulinの推奨量について、用量制限毒性(DLT)に基づいて検討することを主要目的とするフェーズ1試験を実施した。副次的な目的は、安全性、薬物動態、抗腫瘍効果を評価することだった。

 同試験は、非盲検、連続コホートの増量試験で、ombrabulin(25、30、35mg/m2)、パクリタキセル(175または200mg/m2)、カルボプラチン(AUC5または6)を併用し、3週毎に投与した。用量の組み合わせにより、海外の推奨量を最大量とする計5段階の用量レベルを設定し、各レベルを3人以上として、1人にDLTを認めた場合は3人を追加した。推奨量は、1サイクル目にDLTを認めた評価可能な患者が33%未満の最も高い用量レベルと定義した。

 薬剤の性質から、DLTは非心血管系と心血管系で分け、心血管系のDLTには、狭心症、動脈血栓塞栓症、高血圧、低血圧、心筋虚血のマーカーや心電図の変化などを含めた。

 対象は、肺癌や上皮性卵巣癌など、パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法が有効と考えられる進行固形腫瘍で、ECOG PSは0または1、進行や転移に対する化学療法の前治療が1レジメンまで(術前/術後の補助療法、分子標的治療は除く)などの条件を満たす患者とした。

 18人が登録され、年齢中央値は56.5歳、女性が13人(72%)、PS 0と1はそれぞれ56%と44%、原発腫瘍の部位は子宮頸部22%、卵巣17%、子宮体部17%、その他44%だった。

 DLTは、ombrabulin 35mg/m2、パクリタキセル200mg/m2、カルボプラチン AUC6の最大量で投与された6人中1人に認め、グレード3の大腸菌による尿路感染症だった。同併用療法の推奨量はこの用量と決定され、海外と同じ結果となった。

 全対象で発現頻度が高かった有害事象は、脱毛83%、好中球減少72%、倦怠感72%、食欲低下67%など、カルボプラチンとパクリタキセルの併用療法で多く発現する事象だった。その他、味覚異常、視野の異常、注射部位の疼痛などの特徴的な事象も観察された。グレード3/4の有害事象として、好中球減少は全対象で61%、推奨量のレベルでは50%に発現した。グレード3の薬物過敏症と肺塞栓症が各6%に発現し、重篤な有害事象(SAE)と考えられた。

 抗腫瘍効果として、18人中、完全奏効(CR)が1人(6%)、部分奏効(PR)が6人(33%)で得られ、このうち2人は子宮頸部、2人は腹膜、2人は卵巣、1人は軟部組織の腫瘍だった。この7人の用量は異なっていた。

 ombrabulinの血漿濃度と活性代謝産物のRPR258063は、ombrabulinの用量が25mg/m2から35mg/m2に増加するのに比例して上昇した。薬物動態に関し、日本人と海外のデータに大きな相違はなかった。