切除不能または再発食道癌に対し、ドセタキセルの2週1回投与と標準治療であるシスプラチン+5-FUの併用療法(biweekly DCF療法)は安全に施行でき、有効性も期待できることがフェーズ1/2試験JCOG0807で明らかになった。8月29日から仙台市で開催された第11回日本臨床腫瘍学会学術集会で、大阪医科大学附属病院化学療法センターの紀貴之氏らが発表した。

 DCF療法は頭頸部癌や進行胃癌において高い有効性が報告されているが、有害事象、特に発熱性好中球減少症が多いことが知られている。一方で、進行胃癌ではドセタキセルを分割投与することで、発熱性好中球減少症の発生を減少させ、通常のDCF療法と同等の効果が期待できることが報告されている。そこで、進行食道癌を対象にドセタキセルを2週間に1回投与するbiweekly DCF療法のフェーズ1/2試験が実施された。

 フェーズ1試験での主要評価項目は用量制限毒性(DLT)、副次評価項目は有害事象と奏効率とし、フェーズ2試験での主要評価項目は中央審査委員会による奏効率、副次評価項目は全生存期間、無増悪生存期間、有害事象と設定した。
 
 フェーズ1試験は、3+3試験デザインで、4週おきに、ドセタキセルは30mg/m2(レベル1)、40mg/m2(レベル2)を1日目と15日目に投与した。シスプラチンは80mg/m2を1日目に、5-FUは800mg/m2を1-5日目に投与した。

 フェーズ1試験には10人が登録した。レベル1ではDLTは認められなかった。レベル2で、3人中1人にDLT(グレード3の倦怠感)が見られ、4人を追加した結果、計7人中2人にDLT(グレード3のALT上昇)が認められた。治療コンプライアンスも勘案して、フェーズ2試験への推奨用量はレベル1の30mg/m2と決定した。

 フェーズ2試験では52人が登録され、フェーズ1試験の登録患者も合わせ、計55人について解析が行われた。うち男性が49人、年齢中央値は61歳だった。

 抗腫瘍効果は53人について評価された。部分奏効が33人で、奏効率は62.3%(80%信頼区間:52.6-71.3%)だった。全生存期間については、イベント数42人において、中央値は11.1カ月、1年生存率は47.1%、2年生存率は18.8%となった。無増悪生存期間(PFS)はイベント数49人において、中央値が5.8カ月、6カ月PFS率が47.2%、1年PFS率が15.1%だった。

 安全性は55人について評価された。主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少が26%、貧血が36%、低ナトリウム血症が29%、食欲不振が24%、悪心が11%であった。発熱性好中球減少症は認められなかった。治療関連死は1人で、DCF療法後のドセタキセル投与中の肺臓炎によるものであった。

 DCF療法後の治療は、化学療法が55%、化学放射線療法が15%、放射線療法が9%、手術が5%だった。化学療法ではドセタキセル、5-FU、ネダプラチン、シスプラチンなどが使用された。

 進行食道癌に対するシスプラチン+5-FU併用療法(CF療法)やネダプラチン+5-FU併用療法のフェーズ2試験の結果と比較しても、biweekly DCF療法の結果は良好だった。今回の結果を受け、biweekly DCF療法とCF療法を比較するフェーズ3試験が計画されている。