進行胸腺癌で治療歴がない患者に対し、カルボプラチンとパクリタキセルの併用療法が高い有効性を示したことが、多施設共同、前向きのフェーズ2試験(WJOG4207L試験)から示された。8月29日から31日まで仙台市で開催された第11回日本臨床腫瘍学会学術集会で、大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器内科学の木村達郎氏が発表した。

 胸腺癌は稀な悪性腫瘍で、診断時に患者の約半数は進行期にある。

 木村氏らは、進行胸腺癌で治療歴がない患者を対象として、カルボプラチンとパクリタキセルの併用療法を評価する、多施設共同、非盲検、単群のフェーズ2試験を実施した。

 対象は、正岡の分類法でIII、IVa、IVb期の胸腺癌で、化学療法の治療歴はないこととし、外科的切除または放射線治療の後の再発は含めた。ECOG PSは0または1、20歳以上の患者とした。

 試験治療は、カルボプラチンをAUC6、パクリタキセルを200mg/m2、3週毎に投与し、最大6サイクル行うこととした。

 主要評価項目は外部評価による奏効率、副次的評価項目は全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、安全性だった。外部評価では、中央判定による病理学的診断を行い、効果と再発を評価した。追跡期間は2年間とした。

 2008年5月から2012年11月までに、21施設から40人が登録され、このうち39人が評価可能だった。39人の年齢中央値は62歳、男性は59.0%、PS 0の患者は59.0%、非喫煙者は41.0%だった。

 正岡の分類法でIII期は7.7%、IVa期は25.6%、IVb期は66.7%だった。組織型では、施設判定では扁平上皮癌が53.8%と最も多かったが、中央判定では23.1%に減少し、低分化神経内分泌癌が5.1%から28.2%に、NOS(他に特定されない)が23.1%から35.9%に増加するなど、判定の難しさも示された。

 治療サイクル数中央値は6で、4サイクルを完遂した患者は82.1%、6サイクルを完遂した患者は51.3%だった。

 その結果、完全奏効(CR)は2.6%、部分奏効(PR)は33.3%で得られ、奏効率は35.9%(95%信頼区間:21.2-52.8%、p=0.031)となった。

 PFS中央値は7.52カ月(95%信頼区間:6.18-12.32)で、OS中央値には未到達である。1年生存率は84.62%、2年生存率は71.19%だった。

 グレード3または4の血液毒性で最も頻度が高かったのは好中球減少で、87.2%に発現した。グレード3または4の白血球減少は43.6%、貧血は15.4%、血小板減少は5.1%に発現した。グレード3または4の非血液毒性は、末梢神経障害(5.1%)発熱性好中球減少(5.1%)、関節痛(5.1%)などが発現した。

 木村氏は「今回の結果から、非小細胞肺癌の標準治療の1つであるカルボプラチンとパクリタキセルの併用療法は、胸腺癌に対しても重要な化学療法のレジメンとなることが確認された」と結んだ。