切除不能進行・再発大腸癌に対するセツキシマブ+mFOLFOX6併用療法において、投与開始8週時点で20%以上の腫瘍縮小(Early Tumor Shrinkage:ETS)が得られた場合は、ETSが得られなかった場合と比べ、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが示された。日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)による前向きの国内多施設共同フェーズ2試験JACCRO-CC05で示されたもので、8月29日から仙台市で開催されている第11回日本臨床腫瘍学会学術集会で、相澤病院がん集学治療センター化学療法科の中村将人氏が発表した。

 OPUS試験の結果から、KRAS野生型の切除不能進行・再発大腸癌に対するFOLFOX4+セツキシマブ併用療法はFOLFOX4単独に比べてPFSを延長し、より高い奏効率を示すことが報告されている。また、後ろ向きの検討結果から、ETSは良好なPFSやOSと相関があることも示されている。

 そこで中村氏らは、セツキシマブ+mFOLFOX6療法の安全性、有効性を検討した国内多施設共同のフェーズ2試験であるJACCRO-CC05試験を実施した。この試験はETSに関する前向きの解析も評価項目の1つとした。

 主要評価項目は奏効率。副次評価項目は全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、登録時からの腫瘍の変化率による最良効果、安全性とした。

 対象は、20〜79歳の、EGFR陽性で、KRAS遺伝子野生型(codon12、13)、ECOG PS 0または1の切除不能進行・再発大腸癌患者。セツキシマブまたはパニツムマブによる前治療歴のある患者は除外した。

 2週間を1コースとし、病勢進行または毒性による中止まで投与し続けた。セツキシマブは、初回は400mg/m2、2回目以降は250mg/2を1日目と8日目に投与した。mFOLFOX6療法では、1日目にオキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート(l-LV)200mg/m2を投与し、5-FUは1日目に 400mg/m2を急速静注した後に2400mg/m2を46時間での持続静注で投与した。

 2010年8月から2011年9月までに57人が登録され、うち54例が解析対象となった。

 患者背景は、男性が65%、年齢中央値が60歳(範囲34-78歳)、ECOG PS 0が91%、1が9%。進行例が76%、再発例が24%、原発巣は結腸が67%、直腸が33%。転移部位は肝臓が最も多く65%だった。

 主要評価項目、副次評価項目については昨年報告しており、治療サイクル数中央値10(範囲1-44)において、奏効率は66.7%(95%信頼区間:53.36ー77.76)、うち完全奏効(CR)は5例(9.3%)だった。PFS中央値は11.05カ月、OS中央値は未達(追跡期間中央値19.6カ月時)で、1年OS率が81.5%という結果が得られていた。

 グレード3以上の主な有害事象は、好中球減少が48%、白血球減少が22%、ざ瘡様皮疹は20%、全ての皮膚症状は30%など。

 今回、ETSとPFSとの関連について解析した。ETSが得られた症例は全体の8割である40例だった。ETSが得られたグループのPFS中央値は11.3カ月(95%信頼区間:8.94-14.86)で、ETSが得られなかったグループの3.6カ月(同:1.18-8.45)と比べ、有意に延長していた(ハザード比0.27、95%信頼区間:0.13-0.62、p=0.0004)。なお、腫瘍の評価は外部の中央施設が行った。

 個々の症例ごとに腫瘍縮小率の経時変化を見たところ、治療開始後、早期に高い腫瘍縮小率が得られた場合は長期間治療効果が得られているのに対し、腫瘍縮小率が低い患者の場合は早期の段階で腫瘍が増大してしまう傾向が認められた。

 これらの結果から中村氏は、「EGFR陽性、KRAS野生型の患者に対する1次治療として、セツキシマブ+mFOLFOX併用療法は安全であり、良好な奏効率を示した」と語った。また、ETSとPFSの相関を前向きに評価した最初の試験結果であり、セツキシマブ+mFOLFOX6は1次治療の選択肢であると指摘した。

 今後は、セツキシマブ+mFOLFOX併用療法の治療効果を予測するバイオマーカーを検討していくほか、1次治療としてS-1+オキサリプラチン+セツキシマブ併用療法を検討するフェーズ2試験、JACCRO CC-06の患者登録が終了したと紹介した。