FOLFOX不応・不耐の進行・再発大腸癌で、UGT1A1遺伝子(*6、*28)多型群がワイルド群およびヘテロ群の患者では、FOLFIRIベバシズマブの併用療法は、イリノテカン(CPT-11)の初回投与量を180mg/m2としても、有効で安全に実施できることが、フェーズ2のCR0802試験から示された。8月29日から31日まで仙台市で開催されている第11回日本臨床腫瘍学会学術集会で、独立行政法人国立病院機構四国がんセンター内科の仁科智裕氏が発表した。

 進行・再発大腸癌に対するFOLFIRIの有効性と安全性のデータは、国内外の臨床試験により集積されている。ただし、CPT-11の用量は海外の180mg/m2に対し、国内で承認されている用量は150mg/m2である。FOLFOX不応・不耐の大腸癌に対し、CPT-11を180mg/m2とした場合の国内のFOLFIRI、FOLFIRI+ベバシズマブの情報は十分ではない。

 仁科氏らは、UGT1A1遺伝子(*6、*28)多型群がワイルド群またはヘテロ群のFOLFOX不応・不耐の進行・再発大腸癌患者を対象として、FOLFIRI(CPT-11:180mg/m2)+ベバシズマブの有効性と安全性を前向きに検討するフェーズ2試験を実施した。

 治療は2週間を1サイクルとして、FOLFIRI(CPT-11:180mg/m2)とベバシズマブ5mg/kgの併用療法を最大24サイクルまで施行した。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、全生存期間(OS)、有害事象などだった。

 2009年4月1日から2013年3月31日までに、18施設から94人が登録された。有効性の解析対象は89人、安全性の解析対象は93人となった。有効性の解析対象89人(年齢中央値62.0歳)中、男性は49人、PS 0は66人だった。前治療のオキサリプラチンに不応だったのは46人、不耐だったのは43人、前治療でベバシズマブを併用したのは69人、併用しなかったのは20人だった。

 治療サイクル数の中央値は8サイクル(範囲:1-24)だった。相対的用量強度(中央値)は、CPT-11では80%、その他の薬剤も75.7-80%となった。

 奏効率は、施設外校閲で10.1%(95%信頼区間:4.7-18.3%)、病勢コントロール率(DCR)は65.2%となった。PFS中央値は5.4カ月、生存期間中央値(MST)は14.5カ月で、1年生存率は59.8%、2年生存率は24.4%だった。

 サブセット解析において、前治療でベバシズマブを併用していない群と併用した群を比較すると、奏効率はそれぞれ20.0%と7.2%(p=0.1102)、DCRは85.0%と59.4%(p=0.0345)、PFS中央値は8.8カ月と4.5カ月(p=0.0062)となり、併用していない群で良好だった。

 グレード3以上の主な有害事象として、好中球減少が60.2%、白血球減少が23.7%、下痢が9.7%、貧血が7.5%、食欲不振が6.5%、倦怠感が5.4%に発現した。その他の重要な有害事象として、グレード3の消化管穿孔が2.2%、グレード3の肺動脈血栓症が1.1%に発現した。治療関連死は1人で、肺炎による死亡だった。最終投与から30日以内に死亡した1人は、試験治療には関連しないと判断された。