Raf/MEKに対する新規阻害剤RO5126766について、日本人進行固形癌患者を対象に1日あたり2.25mgまでの投与は忍容性のあることがフェーズ1試験で示された。悪性黒色腫患者において20%以上の腫瘍縮小が認められた。国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の本多和典氏らが、7月26日から28日に大阪市で開催された第10回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表した。

 RO5126766は RafとMEKを特異的に阻害する新規化合物。前臨床試験では肺癌や悪性黒色腫、膵臓癌、結腸癌などで抗腫瘍効果が報告されている。

 試験の対象は、標準的な治療が無効もしくは標準的な治療が確立していない固形癌患者。MEK阻害剤では副作用として眼の障害が報告されていることから、患者選択の除外基準に眼表面の炎症状態が含められた。試験は3+3デザインで行われ、1コホート3人で、合計12人が登録された。

 RO5126766は、28日を1サイクルとして、各コホートに0.8mg、1.2mg、1.8mg、2.25mgを1日1回経口投与した。用量制限毒性(DLT)は、グレード3以上の非血液毒性、発熱性好中球減少もしくは4日以上持続するグレード4の好中球減少、グレード4の血小板減少もしくは血小板輸血を要するグレード3の血小板減少とした。

 登録された12人のうち、肉腫が5人、非小細胞肺癌が3人、悪性黒色腫が2人、大腸癌が1人、膵臓癌が1人だった。

 この結果、各コホートでDLTは認められなかった。欧州での多施設共同フェーズ1試験では、最大耐容量が2.25mg/日と決定されており、今回の試験から「日本人進行固形癌患者における2.25mg/日までの忍容性が確認された」とした。

 特徴的な有害事象は、皮膚障害(12人)、眼障害(7人)、CPK(クレアチンホスフォキナーゼ)増加(10人)だった。皮膚障害ではざ瘡様皮膚炎や皮膚乾燥、手足症候群、発疹等が見られた。眼障害では霧視、眼球乾燥、黄斑浮腫、黄斑変性等だった。ほとんどはグレード1/2だが、グレード3/4の有害事象は発疹が1人、臨床検査異常が4人(AST増加、ALT増加、リンパ球数減少、γ-GTP増加)だった。

 抗腫瘍効果は、病勢安定が5人(悪性黒色腫2人、非小細胞肺癌1人、膵臓癌1人、肉腫1人)に見られた。悪性黒色腫の患者1人では20%以上の腫瘍縮小が認められた。

 またRO5126766の半減期は45.8-93.7時間、薬物動態は用量線形性であり、1日1回投与のPK/PDプロファイルは良好だった。