既治療進行・再発胃癌患者に対し、毒性の程度に応じてパクリタキセルの用量を増やす投与法は、標準的なパクリタキセル週1回投与とほぼ同程度の安全性であることが、無作為化フェーズ2試験の投与8週時点での早期安全性解析で明らかになった。市立札幌病院消化器内科の中村路夫氏らが、7月26日から28日に大阪市で開催されている第10回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表した。

 パクリタキセルは好中球減少と神経毒性が主な用量制限毒性となっている。その一方で化学療法中の好中球減少の発生は予後良好を示す予後規定因子であることが報告されている。

 そこで好中球減少に基づいて増量を含む用量調節を行うことで、化学療法の効果が改善されるかどうかをみるため、増量weeklyパクリタキセル (wPTX) 療法と標準投与量のwPTX療法とを比較する試験を行った。

 対象は1つ以上の化学療法を受けた進行・再発胃癌患者90人。標準投与群にはパクリタキセル80mg/m2を、増量投与群には好中球減少の発生に応じて、初回用量80mg/m2から、8日目に100mg/m2、15日目に120mg/m2と増量し、3週投与1週休薬のスケジュールで行った。主要評価項目は生存期間、副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間、安全性とした。

 8週時点で評価したところ、増量投与群(45人)のうち、8日目に100mg/m2まで増量できた患者は41人、15日目に120mg/m2まで増量できたのは29人だった。また8週までに減量または治療遅延した患者は標準投与群(45人)で25人、増量投与群で21人であった。なお増量投与群では1人がwPTX療法を受けなかった。

 8週までに全グレードの好中球減少は、標準投与群で66.7%、増量投与群では86.4%に見られたが、グレード3/4はそれぞれ31.1%、38.6%と大きな違いはなかった。

 末梢感覚神経障害は、全グレードが標準投与群で55.6%、増量投与群で68.1%、グレード3/4はそれぞれ0%、2.3%(1人:120mg/m2を投与)だった。また発熱性好中球減少は標準投与群で2人、増量投与群で1人だった。

 これらの結果から、「増量投与群でもコントロールが難しい有害事象はなかった」とし、「早期安全性解析で、増量した患者でもほぼ同等のコンプライアンスが得られた」とまとめた。今回の発表は安全性解析の結果だったが、効果に関しては今年秋に報告される予定だ。