進行固形腫瘍の日本人患者を対象としたAMG479のフェーズ1試験において、AMG479を20mg/kgまで増量し、2週毎に投与した場合の忍容性は良好であることが示された。7月21日から23日にかけて横浜市で開催された第9回日本臨床腫瘍学会学術集会で、静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科の村上晴泰氏が発表した。

 AMG479(ganitumab)は完全ヒト型のインスリン様成長因子-1型(IGF-1)受容体モノクローナル抗体で、IGF-1とIGF-2の受容体への結合を阻害する。膵癌では現在フェーズ3試験まで進行している。

 村上氏らは、日本人の進行固形腫瘍の患者を対象として、AMG479の安全性、忍容性、薬物動態の検討を主要目的とする非盲検、多施設共同、用量漸増試験のフェーズ1試験を行い、その結果を報告した。

 同試験では3つのコホートを設定し、コホート1では1、15、29、57日目にAMG479を6mg/kg投与し、以後57日目から2週毎に投与、コホート2では12mg/kg、コホート3では20mg/kgを同様に投与することとした。

 用量制限毒性(DLT)は、AMG479に関連して発生し、初回投与から28日以内にグレード4以上の血液毒性やグレード3以上の非血液毒性が発生した場合とした。

 同試験には、標準治療に難治性または標準治療がない進行固形腫瘍の患者19人(平均年齢57歳)が登録された。癌腫では、乳癌4人、胃癌3人、直腸癌2人などが多かった。コホート1は6人(うち男性4人)、2は7人(同5人)、3は6人(同2人)となった。

 12mg/kgのコホートの1人にグレード2の注射関連反応(infusion reaction)が発現し、全量の投与は行えずDLTの対象外となった。

 有害事象として、全体でグレード3以上の好中球減少は21%、白血球減少は16%に発現したが、一過性だった。また20mg/kgのコホートでASTの上昇が1人に認められたが、DLTの基準には該当しなかった。DLTは発生せず、過去に報告された海外の試験の結果と同様の結果となった。

 薬物動態については、用量依存性に血中濃度が上昇し、半減期の平均は約7日だった。海外のデータと日本人のデータを比較すると、Cmax、AUCに人種間の違いはみられなかった。

 抗腫瘍効果については、完全奏効と部分奏効はみられなかった。安定状態は6mg/kgで3人、12mg/kgで2人、20mg/kgで2人の計7人となった。進行したのはそれぞれ3人、5人、4人だった。無増悪期間(TTP)が100日を超えた患者は6人で、このうち1人は11カ月を超えるTTPを示している。

 また探索的な検討では、ベースラインのインスリン様成長因子結合蛋白3型(IGFBP-3)のレベルとAMG479の曝露量が関連する可能性も示されている。