進行大腸癌でFOLFOXIRI(イリノテカン、オキサリプラチン、5-FU)による一次治療は、奏効率が89%と高く、忍容性も認められ、生存改善も期待できることがフェーズ1試験に登録した患者を対象にした解析で明らかになった。7月21日から23日に横浜市で開催された第9回日本臨床腫瘍学会学術集会で、埼玉医科大学国際医療センター腫瘍内科の砂川優氏らが発表した。

 FOLFOXIRIは2つのフェーズ3試験で検討されており、米国NCCNガイドライン(2011年)では進行大腸癌の治療の一つに位置付けられている。砂川氏らはフェーズ1試験で、FOLFOXIRIの推奨用量をイリノテカン150mg/m2、オキサリプラチン85mg/m2、5-FUを2400mg/m2と決定した。

 今回はフェーズ1試験に登録した患者におけるFOLFOXIRIの有効性が報告された。対象は進行大腸癌患者10人、年齢中央値は54歳(33-69歳)、男性が9人、女性が1人。全員がECOG PS 0で、原発巣に対する手術は7人、術後補助化学療法は3人が受けていた。またイリノテカンの副作用と関連するUGT1A1遺伝子多型の患者は除外した。原発巣は結腸が6人、直腸が4人で、転移巣は単発例が4人、多発例が6人だった。

 フォローアップ期間中央値は34.7カ月、治療サイクル中央値は9.5回(1-36回)。治療中止は病勢進行による患者が4人、手術への転向が1人、毒性が5人で、このうちオキサリプラチンによるアレルギーが2人、神経障害が1人、悪心が1人、感染症が1人。部分奏効までのサイクル数中央値は3.5回(2-6回)だった。

 4サイクルまでの用量強度はイリノテカンが66.6mg/m2、オキサリプラチンが37.7mg/m2、5-FUが1066mg/m2だった。

 グレード3/4の毒性は白血球減少が10%の患者で、好中球減少が70%、貧血が10%で見られたが、発熱性好中球減少はなかった。また食欲不振が10%、悪心が30%、嘔吐が20%だった。

 抗腫瘍効果は、完全奏効が1人、部分奏効が7人、病勢安定が1人、評価不能が1人で、奏効率は89%となった。無増悪生存期間の中央値は11.6カ月、全生存期間には達していない。

 また2次治療を行った9人のうち、mFOLFOX6とベバシズマブ、FOLFIRIとベバシズマブ、LV5FU2とベバシズマブが各2人、FOLFOXIRI、mFOLFOX6、FOLFIRIが各1人。2次治療における奏効率は44%で、うち完全奏効が1人で認められた。無増悪生存期間の中央値は9.1カ月だった。

 2011年6月の時点で、死亡が2人、2次、3次治療中が4人、治療後の休薬が2人、BSCが1人、転院が1人。死亡の2人を除き、「治療開始から24カ月を超える生存が認められ、他の治療法と比べても生存期間は長い傾向がある」とした。

 また今後の開発について、「奏効率が高いため、手術へのコンバージョン治療や標準治療の前に行う導入治療としても考えられる。分子標的薬の併用は、海外でベバシズマブとの併用のフェーズ3試験が行われているため、その結果を待ちたい」とした。ただし治療回数に関し、「海外では治療サイクルは12回までで、今回の中央値も9.5回。長く続けるレジメンではないが、生存への利益は期待できる」と話した。