進行卵巣癌患者を対象としたfarletuzumabのフェーズ1試験において、忍容性は良好で、200mg/m2までの用量では最大耐用量(MTD)は認められなかったことが中間解析から示された。7月21日から23日にかけて横浜市で開催された第9回日本臨床腫瘍学会学術集会で、独立行政法人国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科の公平誠氏が発表した。

 farletuzumab(MORAb-003)は、葉酸受容体α(FRα)に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体製剤。卵巣癌では90%以上にFRαの過剰発現が認められる。

 同試験はフェーズ1、非無作為化、非盲検の用量漸増試験であり、主要目的は、進行固形腫瘍の日本人患者におけるfarletuzumabの用量制限毒性(DLT)を観察し、MTDを推定することだった。

 対象は、固形腫瘍で標準治療に不応または耐性で、他に適切な治療法がない患者とした。FRα陽性は免疫組織染色(IHC)で確認するが、卵巣癌では高率に陽性であるため確認はしないこととした。脳転移を認める患者やウイルス感染などを認める患者は除外した。

 farletuzumabの投与量は50、100、200、400mg/m2を設定、サイクル0は3週間として、1日目に投与し、単回投与の薬物動態を観察した。サイクル1は4週間として、1、8、15、22日目に投与し、連続投与の薬物動態を観察した。サイクル2以降の投与スケジュールはサイクル1と同じとした。全サイクルを通してDLTを評価した。

 今回の中間解析では、50、100、200mg/m2の用量を投与した患者を対象とし、各用量に3人ずつが割り付けられた。9人とも卵巣癌患者で、年齢中央値は57歳、ECOG PSは0が6人、1が3人だった。全員が前治療として手術と化学療法を受けていた。

 DLTの基準は、グレード4の血液毒性とグレード3以上の非血液毒性とした。血液毒性には、38度以上の発熱を伴うグレード3以上の好中球減少、輸血を要するグレード3の血小板減少も含めた。

 結果として、いずれの用量においてもDLTは認められなかった。

 グレード3以上の有害事象は発現しなかった。高頻度に認められた有害事象は、グレード1の消化器毒性、頭痛、倦怠感、infusion reactionなどだった。また免疫系の障害として、グレード2のサイトカイン放出症候群が50mg/m2では2人、100mg/m2と200mg/m2で各1人に発現した。

 薬物動態では、CmaxとAUCは用量の増加に比例して線形状に上昇した。半減期については連続投与で約16日であることが示された。

 治療サイクル数は、50mg/m2では3サイクル継続した患者が2人、100mg/m2では14サイクル継続し、現在も継続中の患者が1人、200mg/m2では7サイクル継続した患者が1人だった。

 完全奏効(CR)と部分奏効(PR)は認められず、最大効果は安定状態(SD)で、50mg/m2で2人、100mg/m2と200mg/m2で各1人に認められた。

 公平氏は、「現在、400mg/m2の用量で検討が進められており、さらに卵巣癌が再発した患者を対象とするフェーズ3試験が日本で開始されている」と話した。