大腸癌二次治療においてイリノテカン+S-1(IRIS療法)とFOLFIRI療法を比較したFIRIS試験で、薬物動態に関する新たなデータが示された。3月18日から19日まで東京で開催された日本臨床腫瘍学会で、近畿大学腫瘍内科の佐藤太郎氏が発表した。

 FIRIS試験は、1レジメンの化学療法治療歴があり、イリノテカンによる治療を受けたことがない426人の大腸癌患者を対象に実施された。主要評価項目である無増悪生存期間については、2009年9月に、IRIS群の5.8カ月に対し、FOLFIRI群は5.1カ月と、非劣性であることが明らかになっている。

 今回発表されたのは、IRIS群6人、FOLFIRI群12人を対象に、イリノテカンとその活性代謝物であるSN-38、SN-38Gの薬物動態について、1日目と15日目に24時間にわたり解析した結果。イリノテカンの注入から1.5時間後のイリノテカン、SN-38、SN-38Gの各AUCを1日目と15日目で比較したところ、IRIS群ではイリノテカンが1.03(95%信頼区間:0.92-1.15)、SN-38が1.06(95%信頼区間:0.88-1.28)、SN-38Gが1.21(95%信頼区間:0.93-1.59)だった。一方FOLFIRI群では、イリノテカンが0.98(95%信頼区間:0.93-1.04)、SN-38が0.93(95%信頼区間:0.87-1.00)、SN-38Gが1.00(95%信頼区間:0.92-1.09)だった。

 佐藤氏は、「IRIS群、FOLFIRI群ともに、1日目と15日目の間で薬物動態に有意な違いはみられなかった。既に有効性や忍容性については報告しているが、大腸癌二次治療において、IRIS療法はFOLFIRI療法に置き換わる可能性を秘めている」とまとめた。