非小細胞肺癌脳転移患者で、ゲフィチニブで効果がなかった場合でも、エルロチニブが有効な可能性が示された。3月18日から19日まで東京都で開催された日本臨床腫瘍学会癌研有明病院呼吸器科の柳谷典子氏が発表した。

 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)であるゲフィチニブは、EGFR変異陽性の非小細胞肺癌の約8割に腫瘍縮小効果があると言われている。だが、治療経過中に脳転移や髄膜播種が起こった場合、長期的なコントロールは困難で予後も不良となる。

 そこで、同試験ではゲフィチニブ投与後に脳転移した患者に対するエルロチニブ投与症例について、レトロスペクティブに検討した。

 対象となったのは、2008年3月から2009年9月の間に組織学的に非小細胞肺癌が確認された患者27人(男性3人、女性24人)。腺癌は26人で大細胞癌は1人。年齢の中央値は60.3歳で、ゲフィチニブ投与後に脳転移や髄膜播種を起こした患者にエルロチニブ150mgが経口投与された。投与期間の平均は16週間だった。投与においては、重篤な有害事象はみられなかった。

 脳転移や髄膜播種を有する非小細胞肺がん患者に対するエルロチニブの効果については、奏効率は40%。病勢制御率は77.8%だった。

 同試験を発表した柳谷氏は、脳転移においてはゲフィチニブで効果がない場合でもエルロチニブが奏効する可能性があることを示唆しながらも、同じ上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)であるエルロチニブとゲフィチニブで効果に違いが出る理由については、今後も症例を増やしながら検証を継続したいと述べた。