切除不能進行胃癌に対し、5-FUとl-ロイコボリン(l-LV)、パクリタキセルの併用療法(FLTAX)は抗腫瘍効果が認められ、安全に投与できることが多施設共同フェーズ2試験で分かった。高知医療センター腫瘍内科の辻晃仁氏らが3月18日から19日まで東京都で開催された日本臨床腫瘍学会で発表した。経口摂取できない場合の選択肢となりうるもので注目されよう。

 対象は未治療の切除不能(局所進行もしくは転移性)で、測定病変のある患者35人、このうち男性が30人。年齢中央値は62歳。重篤な腹膜転移例は除外した。リンパ節転移のあった患者は35人、肝転移は21人、腹膜転移は11人、肺転移は4人だった。またECOG PS 0は16人、PS 1は19人だった。

 フェーズ1試験で推奨用量となった、5-FU 600mg/m2、l-LV 250mg/m2、パクリタキセル80mg/m2を、4週置きに、第1日、第8日、第15日に投与した。主要評価項目は奏効率、副次評価項目は毒性、全生存、治療成功期間とした。奏効率の期待値は40%、閾値は20%と設定した。

 その結果、良好な抗腫瘍効果が確認され、また部分奏効の後に治癒切除が可能になった患者も現時点で2人であったという。有害事象は、白血球減少や好中球減少など血液毒性は高頻度で見られたが、発熱性好中球減少は1人のみだった。非血液毒性は悪心、下痢、神経毒性、脱毛は高頻度で認められたが、グレード3/4の毒性は少なく、「毒性は軽微であった」とした。

 切除不能進行・再発胃癌に対する標準治療はS-1+シスプラチンであるが、全身状態が不良な患者あるいは経口摂取ができない患者に対する治療は確立していない。今回の試験では、無増悪生存期間と全生存期間はSPIRITS試験の結果とほぼ類似しており、「治療の幅を広げるための1つの提案である」と辻氏は述べた。研究グループでは今後、全身状態の不良な患者を対象に、FLTAX療法による一次治療の試験を検討しているという。