再発・難治性のCD33陽性急性骨髄性白血病AML)に対する抗CDモノクローナル抗体製剤ゲムツズマブオゾガイシン(GO)と、従来の化学療法のイダルビシン(IDR)+シタラビン(Ara-C)、またはダウノルビシン(DNR)+Ara-Cの併用療法は、忍容性が良好で、抗白血病効果があることがフェーズI/II試験の結果から示唆された。成果は、3月18日から19日まで東京都で開催された日本臨床腫瘍学会で、日本成人白血病共同研究グループJALSG)のメンバーの1人である東京慈恵会医科大学附属第三病院腫瘍・血液内科の薄井紀子氏が発表した。

 急性前骨髄球性白血病を除く若年・中年成人のAML患者の完全寛解(CR)率は70%以上に上る。しかし、初回治療後の再発例や難治例は多く、再発・難治性のAML患者の転帰は不良で、完全寛解(CR)は50%未満、5年生存率は30%未満に過ぎない。

 GOは、CD33に対するヒト化モノクローナル抗体にcalichemycinを結合させた、再発・難治性のCD33陽性AMLの治療薬である。これまでに複数の試験で、単剤療法よりも併用療法で有望な結果が報告されている。

 薄井氏らは、AML患者の転帰の改善を目的として、GOと従来の化学療法の併用療法の有効性について、JALSG-AML206研究(臨床第I/II相試験)を実施し、第I相試験として最大耐用量(MTD)、用量制限毒性(DLT)、毒性プロファイル、奏効率などを検討した。DLTは、AMLの進行に関わらない重篤な副作用などで定義した。

 試験の対象は、2007年1月から2009年9月までに治療を行った、再発および初回寛解導入療法抵抗性の成人AML患者19人(急性前骨髄球性白血病は除く、年齢中央値59歳、うち男性9人)。治療前のAML芽球割合の中央値は42.8%(7.9〜96.8%)、芽球表面のCD33発現率の中央値は89.4%(39〜100%)だった。

 IDRを用いるIAG群のレジメンは、Ara-C 100mg/m2/日を1〜7日目に持続点滴静注、IDR 10mg/m2/日(レベル1)または12mg/m2/日(レベル2、3)を1〜3日目に静注、GO 3mg/m2/日(レベル1、2)または5mg/m2/日(レベル3)を4日目に2時間かけて点滴静注することとした。

 一方、DNRを用いるDAG群のレジメンは、Ara-CはIAG群と同じとし、DNR 50mg/m2/日を1〜5日目(レベル1で1〜3日目、レベル2で1〜4日目、レベル3、4で1〜5日目に投与)に点滴静注、GOは3mg/m2/日(レベル1で4日目、レベル2で5日目、レベル3で6日目に投与)または5mg/m2/日(レベル4で6日目に投与)を点滴静注することとした。

 DLTの評価では、IAG群ではレベル3でグレード3の好中球減少と血小板減少の遷延、グレード4の感染(脳膿瘍)が認められた。DAG群ではレベル4がMTDと考えられた。静脈閉塞肝疾患(VOD/SOS)は本試験では認められなかった。

 したがって臨床第II相試験で推奨されるのは、IAG群ではレベル2のIDR 12mg/m2(1〜3日目)+Ara-C 100mg/m2(1〜7日目)+GO 3mg/m2(4日目)、DAG群ではレベル3のDNR 50mg/m2(1〜5日目)+Ara-C 100mg/m2(1〜5日目)+GO 3mg/m2(6日目)と考えられた。

 また奏効率では、19人中9人がCR(IAG群4人、DAG群5人)、1人はCRp(血小板が回復していない)となり、全奏効率は53%となった。DAG群の1人(レベル2)は、疾患の進行による中枢神経系の出血で死亡したが、18人は生存し、後療法を受けた。

 薄井氏は「今回の検討により、GOと従来の化学療法の併用療法は、長期的な有効性と安全性を臨床第II相試験で評価する価値があることが示された」としている。