進行・再発大腸癌に対し、IRIS療法イリノテカン+S-1)にベバシズマブを併用するIRIS/Bev療法は、継続性に優れ、IRIS療法の有効性を増強しながらも有害事象は増強せず、忍容性は良好と考えられることが、フェーズ2試験の中間解析の結果から示された。3月18日から19日まで東京都で開催された日本臨床腫瘍学会で、三沢市立三沢病院内科の棟方正樹氏が発表した。

 進行・再発大腸癌に対するIRIS療法の有効性は、三沢市立三沢病院も参加する北海道消化器癌化学療法研究会(HGCSG)によるフェーズ2試験の結果が2008年に報告されており、奏効率は52.5%であった。さらに2009年には、セカンドライン治療としてIRIS療法は FOLFIRIに対して非劣性であることが報告された。

 棟方氏らはさらに高い治療効果を期待し、進行・再発大腸癌に対するIRIS/Bev療法について、安全性と有効性をフェーズ2試験で検討した。

 この試験は、2007年10月から2009年3月までにHGCSGの9施設で行われた。対象は、組織学的に確認された進行・再発大腸癌で初回化学療法の患者52人(年齢中央値63.5歳、うち男性33人)。

 1サイクルを28日とし、イリノテカン(CPT-11)100mg/m2とベバシズマブ5mg/mgを1日目と15日目に、S-1は患者の体表面積に応じて80〜120mgを1日目から14日目に1日2回投与した。

 今回の中間解析では、奏効率は57.7%(95%信頼区間:44.3〜71.1%)となり、完全奏効(CR)2人(3.8%)、部分奏効(PR)28人(53.8%)、安定状態(SD)18人(34.6%)で、進行(PD)した患者はいなかった。CRとなった1人は、肝転移で10サイクル治療を行った。

 治療が中止されたのは46人(88.5%)で、内訳は有害事象19人(32.7%)、疾患の進行19人(32.7%)などだった。手術が可能となったのは4人(7.7%)だった。

 現在6人で治療が継続されており、治療期間の中央値は8.5サイクル(範囲:1〜23)だった。

 安全性について、主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少25%、下痢15%で、ベバシズマブに特有の有害事象である高血圧は19%だった。IRIS療法とIRIS/Bev療法を比較すると、血液毒性はグレード3以上、全てのグレードともIRIS/Bev療法の方が低かった。一方、下痢や口内炎はIRIS/Bev療法の方がやや多かった。

 棟方氏は、継続性、有効性、忍容性などから、「今後、IRIS/Bev療法が進行・再発大腸癌の一次治療の新しい標準治療になる可能性が示唆された」と考察した。