抗EGFR抗体製剤セツキシマブは、投与患者の約10〜20%に、infusion reaction(注入反応)が生じることが知られている。程度が軽度の場合には減速して投与継続、重度の場合には投与中止が推奨されているが、まだ詳細な報告は少ない。そこで国立がんセンター東病院看護部の安川恵美子氏らは、infusion reactionの発現状況と再投与の現状について検討し、3月18日から19日まで東京で開催されている日本臨床腫瘍学会で発表した。

 対象は、2008年9月から2009年10月の間にセツキシマブを投与した切除不能大腸癌患者77人(男性49人、女性28人、平均年齢64歳)。診療記録を基に、infusion reactionの発現頻度と重症度、再投与に関してレトロスペクティブに検討した。infusion reactionを来した患者は計6人。CTC-AE Ver.3.0を用いた反応の程度は、グレード1が4人、グレード2が1人、グレード4が1人だった。

 初回に生じたinfusion reactionは、投与開始から1時間以内に発現した患者が4人(70%)と多く、症状は悪寒や発熱が多くみられた。グレード4の患者は、投与開始から約10分で血圧・脈拍低下や呼吸困難などの症状が発現し、入院となった。グレード1の患者らに対する2回目の投与では、前投薬や速度の変更を行わず、infusion reactionを再度起こした患者は3人いたが、いずれも帰宅可能だった。グレード2の患者に対する2回目の投与では、前投薬を変更し、50%減速投与を行った結果、infusion reactionはみられなかった。

 安川氏は、「infusion reaction発症例の83%(6人)に再投与を行ったが、初回よりも重症化した患者はいなかった。軽症例については、前投薬の変更や注入速度の延長により、再投与は十分に可能と考えられた」とまとめた。