筋層浸潤膀胱癌術前化学療法として、ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法(GC療法)が有効で忍容性が高いことがレトロスペクティブな解析の結果、明らかとなった。成果は、3月18日から19日まで東京都で開催された日本臨床腫瘍学会で、国立がんセンター東病院血液・化学療法科の山口雄氏が発表した。

 GC療法は、転移性膀胱癌に対してM-VAC療法と同等の効果があり、毒性が少ないことが示されている。そのため、山口氏らは筋層浸潤膀胱癌に対してGC療法を術前化学療法として行った患者の結果をレトロスペクティブに解析した。

 解析の対象となったのは、2007年6月1日から2009年7月31日までに術前GC療法を受けた患者12人(男性が10人)。年齢中央値は66.5歳。クリニカルステージは、cT2期が2人、cT3期が7人、cT4期が3人で、11人が化学療法後に膀胱全摘術を受けた。化学療法は4サイクル行われた。その結果、1人はクリニカルステージで完全奏効(cCR)になり、2人が病理学的完全奏効(pCR)となった。またpTとcTを比較して、ダウンステージングできた患者は6人(55%)だった。追跡期間中央値18.1カ月で再発したのは、2人だけだった。

 抗癌剤の副作用による投与中止はなく、9人の患者でゲムシタビンの減量が行われが、血小板減少が主な理由だった。グレード3/4の副作用は好中球減少症が5人、貧血が4人、血小板減少症が5人だった。化学療法の前後で血漿中クレアチニン量にはほとんど変化はなく、腎機能には影響は少なかった。

 山口氏は今回の結果を受けて「今後は膀胱温存の可能性について見当をする必要がある」とまとめた。