局所進行膵癌に対するゲムシタビンの全身投与は、標準療法と考えられている5-FU化学放射線療法(5FU-EBRT)の実績に比べて、生存成績が大きく延長でき、副作用も穏やかなことが報告された。国内で行われた多施設フェーズ2試験の結果明らかとなったもので、局所進行膵癌に対する標準療法はゲムシタビンであることを示したことになる。成果は、3月18日から19日まで東京で開催される日本臨床腫瘍学会で、癌研有明病院の石井浩氏が発表した。

 研究グループは当初、5FU-EBRTとゲムシタビンを比較するフェーズ3試験を実施する計画だったが、生存期間の延長効果が予想外に高かったことから、S-1-EBRTに導入化学療法としてゲムシタビンを併用した場合と併用しない場合を比べるフェーズ2試験を計画している。

 フェーズ2試験は、2006年1月から2007年2月までに登録されたUICC stage III (T4N0-1 and M0)で、腫瘍の大きさが、原発巣照射が可能となる範囲である15×15cm以下の未治療の局所進行膵癌患者50人(うち男性35人)を対象に行われた。すべて、5FU-EBRTの対象と考えられる患者だった。患者の年齢中央値は67.5歳(45-80)で、PS0が30人、PS1が20人と比較的全身状態の良い患者を対象に行われた。ゲムシタビンは、4週間を1サイクルとして1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与された。

 試験の結果、生存期間中央値は15.0カ月、主要評価項目である1年生存率は64.0%で、5FU-EBRTのデータである生存期間中央値10カ月、1年生存率40%を大きく上回った。

 一方、副作用はグレード3/4の好中球減少症が62%の患者で、白血球減少症が32%に見られたが、その他のグレード3/4の副作用は20%以下だった。重篤な副作用が3人(6%)の患者で認められたが、病状の進行に伴うものと判断された。
 
 予想以上に効果が良かった理由について、石井氏は「腫瘍サイズが限定されていたことと、全身状態が良い患者が多かったためではないか」と語った。