S-1治療が不応となった進行・再発胃癌に対する3次治療として、イリノテカンシスプラチン併用、およびパクリタキセル単剤は、いずれも腫瘍抑制効果が認められることが、レトロスペクティブな分析で確認された。兵庫県立がんセンター消化器科の津田政広氏らが、3月20日から21日に名古屋市で開催された第7回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表した。

 対象は、2001年6月から2009年2月までに治療した進行・再発胃癌患者で、S-1治療による1次治療が無効となり、その後の2次治療でも病勢が進行した63人(うち男性が44人)。年齢中央値は62.7歳、PS 0が22人、PS1が25人、PS 2〜3が11人、不明が5人。転移部位別では腹膜転移が28人、リンパ節転移が26人、肝転移が17人。観察期間中央値は173日(45〜823日)だった。

 3次治療として、イリノテカン+シスプラチンが10人、パクリタキセルが28人、メトトレキセート(MTX)+5-FUが16人、イリノテカンが5人、その他が4人だった。

 2次治療については、イリノテカン+シスプラチン群の10人全員がパクリタキセル、パクリタキセル群ではイリノテカン+シスプラチンが21人(75%)、イリノテカンが4人で、およそ9割の患者でイリノテカンが使用されていた。

 3次治療開始日からの無増悪生存期間(PFS)中央値は、イリノテカン+シスプラチン群では203日、腫瘍効果が判定できた8人においてPRは1人、SDは4人で、奏効率は12.5%、病勢コントロール率は62.5%となった。有害事象は2次治療とほぼ同等だった。

 パクリタキセル群ではPFS中央値は92日、効果判定できた22人におけるPRは1人、SDは11人で、奏効率は4.5%と低かったが、病勢コントロール率は54.5%となった。有害事象は2次治療時と変わらなかった。

 津田氏らはこれらの結果から、「両治療は腫瘍抑制効果が期待でき、忍容性もあるため、3次治療として試みてよい治療だ」とした。