標準治療無効例または標準治療が存在しない進行固形癌患者において、Epothilone BEPO906)の3週間隔投与における10mg/m2までの忍容性が確認された。3月20、21日に名古屋市で開催された第7回日本臨床腫瘍学会学術集会の一般口演で、国立がんセンター中央病院の軒原浩氏が第1相試験の結果から発表した。

 EPO906は微小管を標的とした天然物由来の細胞増殖抑制薬。チューブリン重合化の促進や脱重合の阻害、さらに微小管の安定化や微小管動態の抑制を惹起することで抗腫瘍効果を示す。軒原氏らは、日本人患者を対象に、EPO906を3週間隔で投与した際の最大耐用量(MTD)について検討を行った。

 EPO906の投与レベルは、レベル1を5mg/m2、レベル2を7.5mg/m2、レベル3を10mg/m2とし、それを超える用量レベルが必要な場合は2.5mg/m2の幅で増量することとした。増量方法にはBayesianロジスティック回帰モデル法が採用され、各コホート3人中1人にDLTを認めた場合は3人を追加し、そのコホートのサイクル1におけるDLTとそれ以前のコホートで進行中の継続サイクルの毒性の両方を考慮した。

 レベル1に3人(男2人、女1人、年齢中央値70歳)、レベル2に6人(男3人、女3人、同55.5歳)、レベル3に7人(男7人、同68歳)が登録された。疾患の大半は肺癌で、腺癌が多く認められた。レベル3の1人は投与前に不適格となった。

 5mg/m2を投与した3人にDLTの発現は認められず、7.5mg/m2に増量した。7.5mg/m2を投与した最初の3人中1人にグレード3の食欲不振を認め、6人に増量を行った。DLT発現は6人中1人のみだったため、さらに10mg/m2へと進めた。1人にグレード3の腸炎、イレウス、食欲不振、悪心、アミラーゼとγ-GTPの上昇を認めた。10mg/m2投与による神経毒性を考慮し、さらなる増量は行わないことにした。

 15人中12人に2コース以上投与され、6コース以上投与した患者は4人だった。10mg/m2では2コース以上投与した5人中4人が有害事象のため減量となり、また6人中4人が有害事象のため治療を中止した。

 主な有害事象は、下痢、末梢神経障害、食欲不振、体重減少、倦怠感であった。下痢と末梢神経障害は、用量の増量に伴い、高頻度に認められる傾向にあった。

 血液中薬物濃度は、投与後0.3〜0.4時間で最高値(Cmax)に達し、用量の増加に伴ってCmaxとAUCは増加した。

 抗腫瘍効果として、15人中5人に部分奏効(PR)を認め、疾患の内訳は肺癌3人、直腸癌1人、胸腺癌1人であった。

 軒原氏は「標準治療無効または標準治療が存在しない進行固形癌患者において、EPO906の3週間隔投与における10.0mg/m2までの忍容性が確認された」と話した。