ベバシズマブの市販後に行われた特定使用成績調査(全例調査)の集計結果で、副作用発現率は61.9%、重篤な副作用は15.3%で、重篤な副作用の発現状況は海外の大規模臨床試験の結果とほぼ同等であることがわかった。大分大学医学部附属病院腫瘍内科の白尾國昭氏らが、3月20日から21日に名古屋市で開催された第7回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表した。

 特定使用成績調査は、ベバシズマブ市販後の使用実態と副作用の発現状況を把握することを目的に、ベバシズマブを投与した全患者を対象として行われた。観察期間は投与開始から6カ月間とされた。調査の登録期間は5カ月間(2007年6月11日から2007年11月9日)で、契約施設数は730施設、登録施設数は574施設、登録症例数は2712人だった。

 登録症例2712人から、非投与、転院などによる重複登録を除いたところ、集計対象数は2699人となり、このうち男性が60.5%を占めていた。年齢の中央値は61.0歳(15-86歳)で、PS 0の患者は2194人(81.3%)。また結腸癌が1578人(58.5%)、直腸癌が1107人(41.0%)、結腸・直腸癌が14人(0.5%)だった。併用化学療法は、FOLFOX療法が1714人(63.5%)、FOLFIRI療法は779人(28.9%)、5-FU/l-LVが142人(5.3%)であった。

 安全性状況が不明だった3人を除いた2696人において、何らかの副作用が認められたのは61.9%、重篤な副作用は15.3%で、ベバシズマブと因果関係が否定できない死亡は34人(1.3%)だった。

 ベバシズマブに特徴的な副作用では、非重篤が611人(22.7%)、重篤が127人(4.7%)で、高血圧では非重篤13.1%、重篤0.4%、出血(全体)では非重篤10.5%、重篤1.3%、鼻出血が非重篤 7.6%、重篤0.2%、たんぱく尿が非重篤4.5%、重篤0.1%だった。消化管穿孔は非重篤0.0%、重篤0.9%、動脈血栓塞栓症は非重篤0.1%未満、重篤0.3%、静脈血栓塞栓症は非重篤 0.0%、重篤1.3%、創傷治癒遅延は非重篤1.1%、重篤0.4%、可逆性後白質脳症が非重篤0.0%、重篤0.1%未満だった。

 重篤な副作用を海外の試験データと比べたところ、高血圧の頻度は大規模な国際的フェーズ4臨床試験(First BEAT試験)では0.5%、出血は0.8%、またBRiTE試験では1.9%であり、消化管穿孔はそれぞれ0.7%、1.7%、創傷治癒遅延は0.3%、1.2%であり、「海外のデータと発現率に大きな差は認められない」とした。

 また、副作用の発現背景を調べた結果、高血圧の発症では高血圧の既往歴・合併症が、たんぱく尿では高血圧、糖尿病、たんぱく尿の既往歴・合併症、さらに性別(男性)、PS(1以上)がリスク因子であることが統計的に示された。また消化管穿孔には原発巣とNSAIDs併用が発症に関与していることが示されたが、「そもそも発現率自体が少ないため、今後、詳細に検討する」という。