アントラサイクリン系製剤およびタキサン系製剤による治療経験のある転移・再発乳癌患者において、ゲムシタビン単剤投与の忍容性が認められ、治療の選択肢の1つになりえることが、22施設で行われたフェーズ2試験の結果で明らかになった。国立癌センター中央病院臨床試験・治療開発部の藤原康弘氏らが、3月20日と21日に名古屋市で開催された第7回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表した。

 ゲムシタビン(商品名:ジェムザール)は2008年8月に、転移・再発乳癌への適応拡大申請が行われている。このゲムシタビン単剤の試験は申請時に提出されたフェーズ2試験データの1つ。

 試験の対象は、アントラサイクリン系製剤およびタキサン系製剤による術後補助化学療法もしくは治療経験のある転移・再発乳癌患者で、転移性乳癌に対してのレジメンは2つまでとし、3つ以上は除外した。

 ゲムシタビンは3週置きに1日目、8日目に投与するスケジュールで、第1段階として、1000mg/m2を6人、1250mg/m2を6人に投与した結果、1250mg/m2が推奨用量となった。続いて、1250mg/m2を56人に投与した。

 1250mg/m2を投与した62人における患者の年齢中央値は53歳で、PS0が45人(72.6%)と全身状態の良好な患者が多かった。転移病変のあった患者が57人(91.9%)、HER2陰性が27人(43.5%)、ER陰性は25人(40.3%)、PgR陰性は39人(62.9%)だった。投与サイクル平均値は6.5サイクル、dose intensityは85.4%だった。

 前治療としての化学療法は、アントラサイクリン系製剤が62人、シクロホスファミドが58人、一方ドセタキセルは34人、5-FUが32人、パクリタキセルが31人といずれもほぼ半数だった。このほか、カペシタビンが13人、トラスツズマブが10人などだった。

 この結果、主要評価項目である奏効率は8.1%、CRが1人、PRが4人で、SDは20人、PDは32人だった。奏効期間は10.1カ月、無増悪期間(TTP)は3.1カ月、生存期間中央値は17.8カ月で、藤原氏は「ゲムシタビンは単剤では切れのよい薬とはいえないが、今後、セカンドライン、サードラインとして重要な位置づけになってくるだろう」と述べた。

 重篤な有害事象は10人(16.1%)で、急性呼吸不全による死亡が1人だった。また有害事象による投与量の減量が9人(14.5%)、休薬が11人(17.7%)、試験の中止が4人(6.5%)で、投与遅延は32人(51.6%)と多かった。グレード3以上の有害事象は、好中球減少が36人(58.1%)で最も多く、白血球減少が24人(38.7%)。肝機能障害の指標であるALT(GPT)の増加が8人(12.9%)に見られ、それによる治療遅延があったことから、「市販後には、肝機能値に注意を払う必要がある」(藤原氏)と言及した。