日本人の再発・治療抵抗性CD30陽性のホジキンリンパ腫(HL)と全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)に対してbrentuximab vedotinを投与したところ、高い忍容性と奏効率を示したことが報告された。国内フェーズ1/2試験の結果によるもので、10月13日まで札幌市で開催された第75回日本血液学会学術集会で、国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科の丸山大氏らが発表した。

 brentuximab vedotinは、抗CD30抗体と微小管阻害作用を持つ低分子薬剤(モノメチルアウリスタチンE:MMAE)を結合させた抗体薬物複合体製剤。CD30抗原を発現した腫瘍細胞に取り込まれた後、蛋白質分解酵素によりMMAEの結合が切断され放出される。MMAEはチューブリンに結合して細胞周期を停止させることで抗腫瘍効果を発揮する。

 国内では今年3月、今回報告したフェーズ1/2試験の結果と海外フェーズ2試験の結果に基づき、再発・治療抵抗性のCD30陽性HLおよびsALCLを対象に製造販売承認申請を行っている。

 今回報告したフェーズ1/2試験は、シングルアームの非盲検多施設共同試験。

 対象は、再発・治療抵抗性のCD30陽性HL患者またはsALCL患者20例。PS 0-1、20歳以上、FDG-PETで測定した病変の大きさが1.5cm以上の患者とし、HL患者については自家造血幹細胞移植後の再発例もしくは移植不適応例とした。

 フェーズ1では、コホート1(3例)にbrentuximab vedotin 1.2mg/kgを、コホート2(3例)に1.8mg/kgを3週間おきに投与。フェーズ2では14例に対し、1.8mg/kgを3週間隔で投与した。最大16サイクルまで投与し、12週間おきに追跡した。

 全体の患者背景(20例)は、HLが14例、sALCLが6例。年齢中央値は41歳(範囲:22-88歳)、男性11例女性9例、ECOG PS 0は11例。前治療レジメン数中央値は3(範囲:1-11)で、自家造血幹細胞移植歴を持つ患者は8例だった。

 フェーズ1/2全体における治療サイクル数中央値は16サイクル(範囲:4-16)。16サイクルの治療完遂例は11例(55%)、治療継続中の患者は1例(5%)、病勢進行による治療中断は5例(25%)、有害事象による治療中断は1例(5%)だった。減量を要した患者(1例)、有害事象による治療中断例(1例)はいずれも末梢神経障害によるものだった。

 フェーズ1において用量制限毒性(DLT)は発現しなかった。また、薬物動態プロファイルは、どちらの投与量も投与後すみやかに血中濃度が上昇し、投与3週間後にはベースライン近くまで減少したほか、用量依存的に血中濃度曲線下面積(AUC)とCmaxは増加。1.8mg/kgの血中半減期はおよそ1週間だった。これらの結果は、これまでに報告された海外データとほぼ同様の結果だった。

 また、有害事象は管理可能だった。フェーズ1/2試験における主な有害事象は、グレード3以上のリンパ球減少症が50%の患者で見られたほか、グレード3以上の好中球減少症が15%、白血球減少症が10%、グレード1または2の下肢感覚性神経障害が60%などだった。

 フェーズ2部分における客観的奏効率(ORR)は、HL患者(9例)が67%、sALCL患者(5例)が100%だった。完全奏効(CR)はHL患者が56%、sALCL患者が80%、部分奏効(PR)がそれぞれ11%、20%で、測定不能だった1例を除いた全例で腫瘍縮小効果が確認された。CR期間中央値は、HL患者が未達、sALCL患者が8.1カ月。 

 丸山氏は、「今回のフェーズ1/2試験の結果から、日本人の再発・治療抵抗性のCD30陽性ホジキンリンパ腫と全身性未分化大細胞リンパ腫に対するbrentuximab vedotin単剤の3週間隔投与(1.8mg/kg)は、安全かつ高い奏効率を示すことが示唆された。今後のさらなる治療開発が期待される」とまとめた。

 また、海外で実施されているbrentuximab vedotinの臨床試験として、地固め療法としての自家移植後患者への投与、初発患者への投与、併用投与などが検討されていることを紹介した。