慢性骨髄性白血病(CML)治療薬イマチニブの有害事象(AE)として見られる筋痙攣や浮腫は、ニロチニブなど第二世代チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に切り替えることで軽減することが、単施設での解析で確認された。10月11日から13日まで札幌市で開催された第75回日本血液学会学術集会で、山形大学医学部第三内科の加藤裕一氏らが発表した。

 イマチニブのCML患者を対象とした国内臨床試験では、有害事象として筋痙攣の発現頻度は14.3%、海外臨床試験での発現頻度は46.2%、表在性浮腫は62.6%と報告されている。
 
 加藤氏によれば、CML患者の患者会(いずみの会)のアンケート調査でも、「最近、困っている症状」として、筋肉のつり(58%)やむくみ(42%)が挙げられている。また山形大学門前調剤薬局のアンケート調査(16人)でも、「生活上、困難を感じる症状」として、筋肉のつりが13%、浮腫が19%であった。
 
 これらイマチニブによる非血液毒性は「グレードの高さによらず、内服アドヒアランスに影響を与えている」(加藤氏)可能性があることから、初発の慢性期CML患者26人(男性14人、女性12人、年齢中央値は53.5歳)を対象に、TKI切り替えによる毒性の変化を解析した。
 
 変更前のTKIはイマチニブが24人、ニロチニブ1人、ダサチニブ1人だった。イマチニブ治療を受けた患者ではほぼ全例に筋痙攣が認められた。イマチニブから他のTKIに切り替えた患者は10人で、イマチニブからニロチニブに変更した患者8人では、変更後は手の震えや脚のこむら返りといった筋痙攣の症状が消失した。また筋痙攣は変更後2-4週で消失していた。
 
 浮腫が見られた患者でも、ニロチニブに変更後、4-6週で浮腫が消失した。さらにイマチニブ服用中全ての患者で浮腫のコントロールのため、利尿剤が使われていたが、ニロチニブに変更したことで利尿剤は不要となった。
 
 イマチニブ治療における筋症状は、筋肉収縮のエネルギー代謝に関与するクレアチンキナーゼ(CK)と相関するといわれている。そこで、薬剤の切り替えによるCKの変化を見た結果、イマチニブからニロチニブに変更した患者8人では、すべての患者でCKが有意に減少して正常化した。同様に、赤血球数やLDHの改善も見られた。

 この結果から、「低グレードの有害事象によるTKI不耐容に対し、積極的なTKIの変更が有効だろう」とした。