前治療が1-2レジメンまでの再発・難治性低悪性度B細胞リンパ腫の日本人患者に対し、ベンダムスチン90mg/m2リツキシマブの併用療法は有効で安全と考えられる結果が、Keio BRB Study Groupによるフェーズ2試験(BRB試験)の最終解析から報告された。10月11日から13日まで札幌市で開催された第75回日本血液学会学術集会で、東京歯科大学市川総合病院内科(慶應義塾大学病院血液内科)の松本公宏氏が発表した。

 BR療法について、国内での前向き臨床試験による有効性と安全性の報告は不十分である。

 松本氏らは、自主臨床試験であるBRB試験において、再発・難治性の低悪性度B細胞リンパ腫またはマントル細胞リンパ腫で、リツキシマブを含む前治療を1-2レジメンまで受けた日本人患者を対象として、1サイクルを28日とするベンダムスチン90mg/m2(2日間)とリツキシマブ375mg/m2の併用療法(90BR)を4サイクル行い、有効性と安全性を検証した。

 対象は、リツキシマブを含む1-2レジメンの前治療が施行され、奏効が得られた後の再発・再燃例または部分寛解(PR)に到達しない難治例とした。ベンダムスチンの前投与歴を有する患者は除外し、ECOG PSは0-2であることとした。目標症例数は44人だった。

 主要評価項目は4サイクルまでの最良総合効果の奏効率(完全寛解[CR]+未確定完全寛解[CRu]+部分寛解[PR])、副次的評価項目は4サイクルまでの最良総合効果の完全奏効率(CR+CRu)、有害事象、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)だった。有効性の評価は、2サイクル施行後と4サイクルの施行後に頸部から骨盤部のCTを撮影し、IWRC(International Workshop to Standardize Response Criteria for non-Hodgkin’s lymphoma)(B. D. Cheson, et al. J Clin Oncol 1999:17;1244)による総合効果を各担当医が判定した。

 同試験には12施設が参加し、2011年4月5日から2013年3月31日までに53人が登録され、このうち52人に試験治療が行われた。年齢中央値は67歳、男性は24人、ECOG PS 0の患者が47人を占めた。組織型では濾胞性リンパ腫(FL)が40人、次いでMALTリンパ腫の7人、マントル細胞リンパ腫の3人だった。III/IV期の患者が39人含まれた。前治療のレジメン数中央値は1で、リツキシマブと化学療法の併用が多くを占め、前治療からの期間の中央値は15カ月だった。

 観察期間中央値は14カ月(範囲:6.9-21)で、長期の有効性と安全性の結果はまだ得られていない。

 4サイクルを完遂したのは47人で、完遂率は90%となった。試験治療を中止した5人のうち、1人は進行、1人は血液毒性、3人は非血液毒性による中止だった。4サイクルを完遂した47人中、2人は深部静脈血栓症とクレアチニン上昇のため、ベンダムスチンを60mg/m2に減量した。

 最良総合効果は52人で判定され、CRは40%、CRuは31%、PRは23%で得られ、奏効率は94%となった。

 グレード3/4の血液毒性として、白血球数減少が42%、好中球数減少が40%、貧血が2%に発現したが、血小板数減少、発熱性好中球数減少は認めなかった。

 グレード3/4の非血液毒性では、悪心、イレウス、深部静脈血栓症、ALT上昇、皮疹、クレアチニン上昇、低ナトリウム血症を各1人(2%)に認めた。グレード3/4の重篤な感染症はイレウス症例の腸炎1人(2%)のみだった。グレード2-4までの感染症では、肺炎、帯状疱疹、口唇ヘルペスが各1人(2%)に発現した。

 全対象のPFS中央値は18カ月、1年のPFSは79%となり、対象の多くを占めたFLの患者でも同様の結果だった。

 同試験で示された有効性と安全性は、海外のフェーズ2試験(K.S. Robinson, et al. J Clin Oncol. 2008:26;4473-79)と同様の結果だった。松本氏は「本解析の結果から、90BR4サイクルは、前治療1-2レジメンまでの再発・難治性低悪性度B細胞リンパ腫の日本人患者において、有効かつ安全なレジメンと考えられたが、長期の有効性と安全性の結果が必要」と述べた。