非寛解の急性骨髄性白血病(AML)において、急性の移植片対宿主病(GVHD)および慢性GVHDは重要な予後予測因子である可能性が示された。同種移植後に、グレード1、2の急性GVHDを発症した場合は、非発症群と比べ、白血病死亡率が低く、良好なOSが期待できる可能性が示唆された。JSHCT Adult AMLワーキンググループを代表し、東京慈恵会医科大学の横山洋紀氏が、10月21日まで京都市で開催された第74回日本血液学会学術集会で発表した。

 化学療法抵抗性の非寛解期のAMLは予後不良で、同種移植が治癒を期待できる唯一の治療法となっている。同種移植の際には合併症として移植片対宿主病(GVHD)を発症することがあるが、GVHDを発症すると移植片対白血病(GVL)効果により再発率が低下することが報告されている。しかし、非寛解期AMLでは、GVHDの発症が予後に与える影響について明らかになっていない。

 そこで、横山氏らは、GVHD発症の有無や移植前の背景因子が、同種移植後の予後に与える影響について解析した。

 対象は、2000年から2009年に初回同種移植を実施した16〜70歳の非寛解期AML患者2420人。急性前骨髄性白血病、未治療で移植を実施した患者、自家移植の治療歴のある患者は除外した。

 患者背景は、同種造血細胞移植(HCT)時の年齢中央値は44歳、男性割合が59%、De novo(新規発生型)AMLが約8割、再発例が約6割を占めた。生存患者の追跡期間中央値は2.6年。
 
 多変量解析により、急性GVHDのグレードが全生存(OS)に与える影響を調べたところ、GVHD非発症患者と比べ、グレード1、2の急性GVHDを発症した患者のOSは有意に良好だった(ハザード比はそれぞれ0.71、0.77)。一方、グレード4は、非発症群と比べ、有意にOSが不良だった(ハザード比は2.76)。

 同様に、白血病死亡(原病死亡)率についてみると、急性GVHDグレード1、2、3を発症した患者は、非発症群と比べ、有意に低かった(ハザード比はそれぞれ0.78、0.75、0.78)。また、非再発死亡率(NRM)は、非発症群と比べ、急性GVHDグレード1で有意に低く(ハザード比0.48)、グレード3、4では有意に高かった(ハザード比は1.58、5.98)。

 さらに、100日以上生存した患者を対象に、慢性GVHD(限局型または全身型)が予後に与える影響を調べた。その結果、限局型、全身型の慢性GVHD発症患者はともに、非発症患者と比べ、OSが有意に良好だった(ハザード比はそれぞれ0.55、0.63)。白血病死亡率においても、非発症患者と比べ、限局型、全身型はともに有意に低かった(ハザード比はそれぞれ0.53、0.51)ほか、NRMは限局型のみ有意に低かった(ハザード比は0.63)。

 これらの結果から横山氏は、「非寛解AMLにおいて、急性GVHDおよび慢性GVHDは重要な予後予測因子だった。特に、グレード1、2の急性GVHDを発症した場合は、白血病死亡率が低く、OSの向上が期待できる可能性が示唆された」とまとめた。