再発・難治性低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)患者を対象として、臨床使用におけるベンダムスチンの有効性と安全性をレトロスペクティブに検討した結果、ベンダムスチンとリツキシマブの併用療法(BR療法)はベンダムスチン単剤療法と比べて奏効率は高かったが、有害事象の発現頻度が高く、6サイクル完遂率は約35%であったことが示された。この検討は大阪リンパ腫研究会(OLSG)が行ったもので、10月19日から21日まで京都市で開催された第74回日本血液学会学術集会で、大阪大学血液・腫瘍内科の小原尚恵氏が発表した。

 再発・難治性低悪性度B-NHLおよびマントル細胞リンパ腫(MCL)の治療戦略は、新たに臨床導入されたベンダムスチンにより変わりつつある。治療効果の評価には、実地診療における治療実態の把握が必要である。
 
 そのため小原氏らは、OLSG参加施設でベンダムスチンが処方された患者を対象として、患者背景、有効性、安全性をレトロスペクティブに検討した。登録患者について、予後データを収集し検討する観察研究も実施した。

 2010年12月から2012年3月末までにベンダムスチンが処方された122人の調査票が回収され、このうちBR療法を行った患者(BR群)は87人(年齢中央値68歳、36-90歳、男性52.9%)、ベンダムスチン単剤療法を行った患者(B群)は35人(同68歳、40-83歳、51.4%)だった。PSは、0-1がBR群で89.7%、B群で94.2%、2以上がBR群で10.3%、B群で2.9%だった。観察期間はベンダムスチン初回投与日から生存確認日までとし、中央値は12.1カ月だった。

 BR群とB単独群において、濾胞性リンパ腫(FL)はそれぞれ70.2%と71.4%、MCLは20.7%と14.2%だった。病期ではIV期が多く、BR群で56.3%、B群で51.4%だった。FLでは濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)の高リスクの患者が多く、それぞれ42.6%と48.0%だった。また、MCLでもMCL国際予後指標(MIPI)の高リスクの患者が多く、それぞれ44.4%と60.0%だった。前治療のレジメン数は、BR群では1レジメンが47.1%、2レジメンが17.3%、3レジメン以上が35.6%、B群では1レジメンが8.6%、2レジメンが37.1%、3レジメン以上が54.3%で、両群共に前治療歴が3レジメン以上の比率が高かった。初回治療のレジメンは、両群共に(R-)CHOP likeが多く、BR群で73.6% 、B群で88.6%であった。
 
 ベンダムスチンの用量(2日間投与)で最も多かったのは、BR群では90mg/m2で51.7%、B単独群では120mg/m2で48.6%だった。6サイクル完遂したのは、BR群35.6%、B単独群14.3%、4サイクル以上投与がBR群65.5%、B単独群48.6%だった。G-CSFが投与されたのはBR群の59.8%、B単独群の42.9%。6サイクル未満の投与中止の主な理由は、BR群ではCRが25.0%、有害事象が33.5%(血液毒性が23.2%)、B群ではPDが31.4%、有害事象が25.7%であった。

 有効性について、奏効率は、BR群81.6%、B単独群65.8%、CR/CRuはBR群59.8%、B単独群42.9%だった。前治療のレジメン数が少ないほど奏効率は有意に高い結果であり(p<0.0001)、1レジメンでBR群92.7%、B単独群100%、2レジメンでBR群93.3%、B単独群69.2%、3レジメン以上ではBR群61.2%、B単独群57.9%であった。

 12カ月時点の無増悪生存率(PFS)は65.4%、全生存率(OS)は84.9%だった。PFSとOSについて、BR群とB群、組織型による有意差は認めなかった。一方、性別、治療前LDH値、3未満3以上の前治療数では有意差が認められており予後因子と考えられ、その因子別のハザード比調整治療効果によるとBR群でB単独群を上回る可能性が示された。

 安全性について、BR群はB単独群と比べて血液毒性が多く発現した。グレード4の好中球減少とリンパ球減少は、BR群ではそれぞれ48.3%と54.0%、B群では31.4%と40.0%だった。発熱性好中球減少はBR群で17.2%、B単独群では8.6%に発現した。他の非血液毒性では、悪心嘔吐、食欲不振の発現頻度が両群で高かった。
 
 小原氏は「BR療法では、治療継続のためのベンダムスチンの至適投与方法を検討する必要がある」と述べ、6サイクル完遂するための減量や投与期間を検討し、感染症に注意してモニタリングを行う必要があるとした。