再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)患者に対するベンダムスチン120mg/m2とリツキシマブの併用療法(BR療法)は、重篤な有害事象を認めず良好な効果が期待できることが、前向き、多施設共同のフェーズ2試験の中間解析から示された。10月19日から21日まで京都市で開催された第74回日本血液学会学術集会で、横浜市立大学大学院病態免疫制御内科学の萩原真紀氏が、Kanagawa Clinical Oncology Study Group(KCOG)を代表して発表した。

 ベンダムスチンは、従来の抗腫瘍薬とは異なる作用機序を有し、低悪性度リンパ腫に対する治療の中心となる事が期待されている薬剤で、再発・難治性のFLを含む低悪性度リンパ腫に対するベンダムスチン単剤療法の有用性が日本及び海外で報告されているが、日本ではこれまでFLに対するBR療法の臨床試験は報告されていない。海外ではベンダムスチン90mg/m2とリツキシマブが併用され奏効率90%以上と報告されている。

 今回KCOGは、再発・難治性のFLに対するBR併用療法の有効性と安全性を検証するフェーズ2試験の中間解析報告を行った。目標症例数は44例とした。

 対象は、再発・難治性CD20陽性FLの20歳から80歳未満の患者で、PS 0-2を適格として、BR療法を3サイクル行って完全寛解(CR)または部分寛解(PR)が得られた患者にはさらに3サイクル追加し、最大6サイクルまで投与することとした。主要評価項目は最良総合効果(奏効率)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、安全性などだった。

 ベンダムスチンの用量は日本での単剤投与試験、他の疾患でのBR併用試験で忍容性が確認されている120mg/m2とした。28日を1サイクルとし、リツキシマブ375mg/m2を1日目に、ベンダムスチン120mg/m2を2日目と3日目に投与した。ベンダムスチンの減量基準に該当する毒性が認められた場合は、120mg/m2から90mg/m2、さらに60mg/m2へ、2段階の減量を可とした。

 今回は、2011年2月1日から2012年8月31日までで中間解析を行い、観察期間中央値は12カ月だった。プロトコール治療を完了・中止したのは15例、投与継続中は5例、評価可能な総サイクル数は76サイクル。

 登録された20例(年齢中央値63歳で女性14例、男性6例)の内訳は、PS 0の患者が95%、病期はIII期(35%)とIV期(50%)が多かった。骨髄浸潤は25%で認められた。罹病期間中央値は4.2年で、前治療はR-CHOP-like療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)が85%だった。

 プロトコール治療を完了・中止した15例中、6サイクルを終了したのは3例で、投与サイクル数中央値は4.5サイクルだった。中止理由の内訳は、血液毒性が10例(好中球減少6例、血小板減少1例、多系統の血球減少3例)、肝障害と皮膚障害が各1例だった。

 安全性について、主な血液毒性は、グレード3以上の白血球減少が55%、好中球減少が65%に発現し、グレード4のリンパ球減少は60%で1サイクル目から発現する傾向がみられた。主な非血液毒性はグレード1-2の悪心(46%)、食欲不振(32%)、疲労(26%)などであり、グレード4の事象はなかった。

 次サイクル投与開始までの日数は29日-36日、G-CSFの使用はサイクルを重ねるごとに増加(G-CSFを使用したのは30サイクル118日で、3.9日/サイクル)したが、投与された全76サイクルのうち、69サイクルでベンダムスチンの用量は120mg/m2、7サイクルのみ(3例)で90mg/m2だった。

 有効性について、3サイクル終了時に評価が行われた16例では、CRが11例、PRが4例で、奏効率が94%だった。プロトコール治療終了時に評価が行われた8例では、CRは7例、PRは1例で、奏効率は100%だった。3サイクル終了時にSDだった1人はプロトコール治療終了時にCRが得られた。これまでにPDとなった患者は認めていない。

 萩原氏は「本試験ではベンダムスチンの投与量を単剤投与と同じ120mg/m2にてBR療法を行ったが、これまでのところ重篤な有害事象は認めておらず、良好な効果が期待される。プロトコール治療中止の多くは血液毒性によるもので、減量基準の徹底やG-CSFの適切な投与など、プロトコール治療を継続するための工夫が必要と考える。4コース以下でプロトコール治療中止した例では年齢が高く骨髄浸潤を認める症例、前治療歴の多い症例が多く含まれた。そのような背景に留意しつつ120mgの投与が可能な症例では120mgも選択肢になり得ると思われる」と考察をまとめた。