抗CD22抗体をカリケアミシンに結合させた製剤、Inotuzumab Ozogamicinは、難治性の再発性低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)患者において、臨床的な有効性が明らかで毒性も管理可能であることが、国際的な多施設共同のフェーズ2試験から示された。10月14日から16日まで名古屋市で開催された第73回日本血液学会学術集会で、名古屋第二赤十字病院血液・腫瘍内科の小椋美知則氏が発表した。

 Inotuzumab Ozogamicinは、米国と日本で行われたフェーズ1試験において、再発/難治性のB-NHL患者に対する有効性と安全性が確認されている。
 
 今回、小椋氏らは、単群、非盲検、フェーズ2の国際共同試験を行い、リツキシマブ、リツキシマブと化学療法の併用、放射免疫療法(RIT)に難治性でCD22陽性の再発性低悪性度B-NHLの患者を対象に、Inotuzumab Ozogamicinの安全性と有効性を評価した。

 対象は、2回以上の全身療法を施行後に進行を認め、最後に行ったリツキシマブを含む治療の終了から6カ月以内、または抗CD20抗体によるRITの終了から12カ月以内に寛解がみられない、または進行を認めた患者とした。

 Inotuzumab Ozogamicinは1.8mg/m2を点滴静注で28日ごとに投与し、4サイクル行うこととした。用量や頻度は毒性に基づいて調整した。完全寛解(CR)を得た後は2サイクルまで追加投与を認め、投与は最長で8サイクルまでとした。初回投与から最長2年まで追跡した。

 81人が登録され、内訳は、濾胞性リンパ腫(FL)72人(年齢中央値62.0歳、男性51%)、辺縁層リンパ腫4人(同70.5歳、50%)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)5人(67.0歳、100%)だった。前治療のうち、最後の治療がリツキシマブだったのは、FL群71%、辺縁層リンパ腫群50%、SLL群80%だった。FL群では7%が幹細胞移植を受けていた。

 FL群で試験治療を完了したのは15%、早期の治療中止は67%で、40%は有害事象によるものだった。対象全体では、投与の中央値は3回(範囲:1〜8)だった。

 患者の20%以上で報告された治療関連有害事象(TEAE)では、血小板減少と好中球減少が多く、グレード3以上はそれぞれ57%と26%だった。グレード3以上の非血液毒性は、嘔気が5%、AST上昇が4%、食欲不振や疲労感などが各3%に発現した。18人の患者について、46件の重篤な有害事象が報告されたが、このうちInotuzumab Ozogamicinに関連する事象は43%だった。

 グレード3以上の血小板減少が発現した37人では、グレード1以上に改善するのに要した平均期間は32日間だった。

 評価が可能だった74人中、全寛解率(ORR)は58%、CRは28%だった。FLの65人では、ORRは63%、CRは33%だった。寛解が得られたFLの41人中、再発または進行を認めたのは9人のみだった。FLの患者では、前治療のリツキシマブに抵抗性だった場合も49%で寛解が得られた。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は15.5カ月だった。FLの患者では、12カ月時のPFS率は57%、全生存率(OS)は81%だった。

 小椋氏は、「今回得られた結果は、こうした対象集団に対するInotuzumab ozogamicinの臨床開発の継続を支持するもの」と話した。

 Inotuzumab ozogamicinについては世界で4件の臨床試験が進行中で、このうち2件には日本も参加している。