特発性血小板減少性紫斑病ITP)に対するエルトロンボパグ投与は有効で、多くの症例でステロイドの減量が可能であり、投与前の幼若血小板比率が低値の患者はエルトロンボパグへの反応性が良い可能性が示された。10月14日から名古屋市で開催された第73回日本血液学会学術集会で、東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科の佐野公司氏が発表した。

 佐野氏らは、難治性または忍容性に問題のある慢性ITP患者を対象に、エルトロンボパグの有効性と安全性について後ろ向きに解析を行った。

 対象は13例で、年齢中央値は61歳(30-83歳)、女性が9例(69%)で、罹病期間中央値は87カ月(15-219カ月)。プレドニゾロン投与歴があるのが12例(92%)、プレドニゾロン投与量中央値は1日5mg(3-20mg)で、プレドニゾロン以外ではピロリ菌除菌が5例、脾摘が4例、ミゾリビンが2例、セファランチンが5例などだった。ピロリ菌陽性例は3例、治療前の血小板数は1万2000〜5万2000/μLだった。既往歴/合併症では糖尿病が5例と多く、このうち3例ではC型肝炎を合併していた。

 エルトロンボパグ投与量は、12.5mgが7例(53.8%)、25mgが6例(46.2%)だった。

 有効率については、6週目で血小板数が5万/μL以上となった例は9例(69.2%)で、1回でも5万/μL以上となった例は100%、1回でも10万/μL以上となった症例は6例(46.1%)だった。エルトロンボパグ投与3週目以降の血小板数中央値は6万9000/μLだった。

 副腎皮質ステロイドの減量効果については、最終観察時点で72%が中止できており、27%が減量できた。最終観察時点でのプレドニゾロン投与量中央値は3mg(0-10mg)だった。ただ、ステロイドと免疫抑制剤の減量中に血小板数が急激に低下した症例が認められ、減量には注意が必要と指摘した。

 エルトロンボパグ投与前の幼若血小板比率(IPF)の中央値が10.2%だったため、10.2%をカットオフ値として投与前IPF別の血小板の推移を解析した結果、投与前IPFが10.2%より高かったグループより10.2%以下だったグループは投薬により血小板数がより増加する傾向にあった。この結果から、血小板産生障害を有するタイプのITPに対してエルトロンボパグはより有効である可能性があると考えられるとした。

 有害事象は、肝障害(グレード2)が1例、倦怠感・食欲不振が1例で、2例とも中止となった。死亡が1例で、投与7週目に自宅で死亡しており、血小板数は4週目11万3000/μL、6週目11万3000/μLで因果関係は不明だった。