慢性特発性血小板減少性紫斑病ITP)に対するエルトロンボパグ投与は安全で忍容性が高く、有効であることが、承認前の開発段階でのフェーズ3試験における長期投与の結果から示された。10月14日から名古屋市で開催された第73回日本血液学会学術集会で、広島大学血液内科の勝谷慎也氏が発表した。

 この試験は、日本人の既治療の慢性ITP患者を対象に、エルトロンボパグの長期投与の安全性と効果を評価するために実施された。欧米ではエルトロンボパグの1日投与量は25mg、50mg、75mgとなっているが、本試験では12.5mg、25mg、37.5g、50mgという用量で検討された。

 本試験は、23例の慢性ITP患者を対象に6カ月間エルトロンボパグを投与したTRA108109試験(国内フェーズ2/3試験)を継続する試験として行われた。TRA108109試験の後、4週間のフォローアップ期間(休薬期間)をとり、その後、長期投与試験としてこのフェーズ3試験(TRA111433試験)が行われた。対象はTRA108109試験の対象者23例のうちの19例。治療期間はエルトロンボパグが発売されるまで実施され、最長投与期間は136週だった。

 対象患者は、既治療慢性ITP患者で、これまで行われてきたITPに対する治療の継続は許可された。

 登録時背景は、年齢平均54.7歳、女性比率は63%。ITPに対する薬物治療を受けていたのは79%、脾臓摘出例は74%っだった。登録時の血小板数は、3万/μL未満が14例(74%)、3万〜5万/μLが4例(21%)、5万/μL以上が1例だった。

 追跡の結果、エルトロンボパグの1日投与量は、本試験がTRA108109試験に続いて行われていることから、1日およそ平均30mg前後で開始し、その後も30mg〜40mgで推移した。

 また、血小板数は、登録時におよそ3万〜5万/μLであったところから、2週間後には40〜80%が血小板数5万/μLを超えていた。

 有害事象は、最も多かったのは鼻咽頭痛と頭痛で、それぞれ12例、4例で認められた。この結果は先行試験であるTRA108109試験と同様だった。これらについては薬剤の減量、中断は不要だった。血栓症の発症例はなかった。

 これらの結果から、慢性ITPに対するエルトロンボパグ投与は、血小板数を5万/μL以上に維持することができ、忍容性も高いと締めくくった。

[訂正]10/26に以下の訂正をしました。
・最後のパラグラフで、「慢性ITPに対するエルトロンボパグ投与は、血小板数を5万/L≧に維持することができ、忍容性も高く、有害事象は高いと締めくくった。」とありましたが、正しくは「慢性ITPに対するエルトロンボパグ投与は、血小板数を5万/L≧に維持することができ、忍容性も高いと締めくくった。」です。お詫びして訂正いたします。