特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対するエルトロンボパグ投与は、血小板の活性化を起こさずに血小板数を増加させ、炎症・免疫系の異常を改善する可能性が示された。10月14日から名古屋市で開催された第73回日本血液学会学術集会で、関西医科大学第一内科の藤田真也氏が発表した。

 ITPは抗血小板抗体によって起こる自己免疫疾患で、最近、ITPに対する新しい治療薬としてトロンボポエチン受容体作動薬であるエルトロンボパグが発売された。

 そこで同グループは、エルトロンボパグ投与でITP患者のサイトカイン、血小板活性化マーカーがどのように変動するかを解析した。

 解析対象は慢性ITP患者23例で、エルトロンボパグ投与群9例、非投与群14例だった。サイトカインであるIL-6、ケモカインであるRANTES、MCP-1、IL-8、可溶性分子sCD40L、PDMPについてELISA法によって解析した。

 エルトロンボパグを投与した9例は、このうち女性は7例、罹病期間は1年から20年、プレドニゾロンは1日あたり2.5mg〜10mgを投与されており、5mgを投与されていた例が半数を占めていた。

 薬剤投与前の投与群と非投与群の各因子を比較した結果、白血球数、T-BIL、CRP、IL-6、IL-8、RANTES、PDMP、sCD40Lに差はなかったが、血小板数は非投与群が5万7000個/μLであったのに対して投与群は2万7000個/μLと少なく、またLDHについては非投与群が201Uに対して投与群は243U、MCP-1については非投与群501pg/mLに対して投与群547pg/mLと有意に高かった。

 エルトロンボパグ非投与群では投与前と4週間後で各マーカーに差は見られなかった。

 一方、エルトロンボパグ投与群では、投与前と投与4週間後を比較した結果、血小板が有意に増加、CRP、IL-6、MCP-1が有意に減少していた。

 これらの結果から、エルトロンボパグは血小板数を増加させ、血小板活性化マーカーであるPDMP、sCD40Lは活性化せず、CRP、IL-6、MCP-1は有意に低下させることから、炎症・免疫計の異常を改善する可能性が示唆されると締めくくった。