日本人の慢性骨髄性白血病(CML)で分子遺伝学的完全寛解(CMR)が24カ月以上あれば、イマチニブの投与を中断しても無再発生存率が高い可能性が明らかとなった。また、分子遺伝学的再発を予測する公式も示された。成果は10月14日から16日に名古屋市で開催された日本血液学会で、秋田大学附属病院血液内科/腎臓内科/リウマチ内科の高橋直人氏によって発表された。

 研究グループは、CML慢性期の患者でイマチニブ治療を少なくとも6カ月以上中止した患者の特徴を調べる目的で、780施設に調査票を送り、23%にあたる181施設から回答を得た。イマチニブの投薬を受けたCML患者3242人のうち、1.5%にあたる50人がイマチニブによる治療を少なくとも6カ月間中止しており、そのうち43人について解析が行われた。

 43人のうち男性は19人で全て慢性期であり、中止時の年齢中央値は57歳だった。58%の患者がSokalリスクグループで低リスクに分類された。中止理由は副作用が41%、患者希望が33%などだった。72%の患者が標準量または高用量のイマチニブ投与を受けており、投薬期間中央値は45.2カ月。58%の患者がインターフェロンαによる前治療を受けており、28%の患者がイマチニブとインターフェロンαの併用を受けていた。

 イマチニブによって細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)に到達するまでの期間の中央値は3カ月、分子遺伝学的大反応(MMR)までの期間の中央値は10カ月、CMRまでの期間の中央値は12.5カ月だった。イマチニブを中止する前のCMRの期間中央値は27.5カ月(0-80)だった。

 イマチニブ中止期間の中央値は23カ月(6-98)。19人(44%)の患者が再発したが、17人の患者はチロシンキナーゼ阻害剤の再投与を受け全員が回復、移行期・急性転化には移行せず、全員が生存していた。イマチニブを中止してからのCMR率は約80カ月時点で47%だった。

 CMRの期間が24カ月以上あった患者では無再発生存率78%でカプランマイヤー曲線が水平になったが、24カ月未満の患者は15%で水平になり有意(p=0.002)な差があった。

 また多変量回帰分析から、イマチニブの用量強度、インターフェロンによる前治療の有無などで12カ月以内に分子遺伝学的再発を予測できる公式を研究グループは作成した。