再発・難治性多発性骨髄腫(MM)の日本人患者を対象とするフェーズ3試験(MM-022)から、レナリドミドデキサメタゾンの併用による全奏効率は70.8%となり、好中球減少の発現は多かったものの、安全で有効な治療レジメンであることが示された。10月14日から16日まで名古屋市で開催された第73回日本血液学会学術集会で、新潟県立がんセンター新潟病院内科の張高明氏が発表した。
 
 再発・難治性MMの日本人患者に対するレナリドミドの最大耐用量(MTD)は、フェーズ2のMM-017試験で評価され、欧米と同様、1サイクルを28日として、25mg/日で21日間投与することとなっている。

 張氏らはMM-017試験の継続試験として、治療歴がある日本人の再発・難治性MM患者を対象にフェーズ3試験を行い、レナリドミドとデキサメタゾンの併用について、安全性と有効性を検討した。

 28日を1サイクルとして、1〜4サイクルでは、レナリドミド25mg/日を1〜21日目に、デキサメタゾン40mg/日を1〜4日目、9〜12日目、17〜20日目に、それぞれ経口投与した。5サイクル目以降では、レナリドミドは同量、デキサメタゾンは40mg/日を1〜4日目に投与することとしたが、デキサメタゾンの用量の調整は各試験担当医師の判断に委ねられた。投与は2年間まで、または増悪を認めるまで継続することとした。

 登録された患者のうち、安全性評価の対象は25人(年齢中央値62歳、男性48%)、有効性評価の対象は24人となった。初発時のDurie-Salmonの分類、I、II、IIIの割合は、それぞれ4.0%、40.0%、56.0%だった。PS 0の患者が64%を占めた。MMの診断から今回の治療までの期間の中央値は3.3年だった。

 前治療として、自己幹細胞移植(ASCT)のシングル移植とタンデム移植を受けたのはそれぞれ29.2%、トリプル移植は4.2%だった。化学療法を1回受けたのは36.0%、2〜3回は40.0%、4回以上は24.0%で、レジメンではVAD(ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン)が72%と最も多かった。ボルテゾミブを含むレジメンは48.0%だった。サリドマイドを含むレジメンは20.0%で、全例ボルテゾミブの投与を受けていた。

 有効性について、完全奏効(CR)、中等度奏効(RR)、部分奏効(PR)を合わせた全奏効率は、70.8%となった。CRは8.3%、RRは25.0%、PRは37.5%だった。

 奏効が得られるまでの期間の中央値は12.4週(範囲:4.1〜23.1)、PR以上の奏効の持続期間の中央値は53.1週だった。また、無増悪生存期間(PFS)と無増悪期間(TTP)の中央値は、いずれも57.3週だった。

 安全性について、グレード3または4の血液毒性で最も多かったのは好中球減少(56.0%)で、リンパ球減少(36.0%)、白血球減少(28.0%)がこれに次いだ。グレード3以上の血小板減少は8.0%、有熱性の好中球減少は4.0%のみだった。

 非血液毒性の発現率は低く、グレード3または4の発疹は8.0%だった。グレード3または4の感覚鈍麻、両麻痺、肝機能障害などはそれぞれ4.0%だった。
 
 デキサメタゾンの用量別にみた最良の効果は、低用量(1サイクル当たり0〜80mg)でも中間用量(同81〜160mg)と同様であった。低用量、中間用量、高用量(同161〜480mg)のTTPとPFSは、それぞれ30.7週、53.1週、23.9週だった。
 
 また、前治療でのボルテゾミブの使用の有無は、レナリドミドとデキサメタゾンの併用の有効性に影響しないことも示された。