ボルテゾミブ投与後の次クール開始直前のプロテアソーム活性が投与前のレベルに回復しない患者では、神経障害が高率に発生することが分かった。1クール終了した段階で、患者のプロテアソーム活性によって投与量、スケジュールを工夫することで、ボルテゾミブで問題となっている神経障害を回避できる可能性が示されたことになる。成果は10月14日から16日に名古屋市で開催された日本血液学会で、茨城県立中央病院の張愉紀子氏によって発表された。

 研究グループは末梢血単核球細胞を使って、蛍光気質の分解で発生する蛍光強度を測定することで、プロテアソーム活性を測定する系を解析に用いた。

 まず健康診断に来た健常人のプロテアソーム活性を調べたところ、年代間の差は小さく、40から70歳代では女性の方が低い傾向にあることを見出した。

 次に多発性骨髄腫患者16人(うち男性7人、年齢中央値62歳)について、ボルテゾミブ投与前、投与後1時間、次クール開始直前のプロテアソーム活性を調べた。その結果、グレード3以上の中枢・末梢神経障害を起こした患者(5人)の方がグレード3未満だった患者(11人)よりも、次クール直前のプロテアソーム活性が有意に低下していた(p=0.02)。

 一方、血小板減少、便秘の他の重篤有害事象では、次クール直前のプロテアソーム活性に関連はなかった。またVGPR(大変良い部分奏効)以上を達成した患者(5人)、達成できなかった患者でも次クール直前のプロテアソーム活性は関係がなかった。