成人T細胞白血病(ATL)患者において、同種造血幹細胞移植(HSCT)は有効であり、生存への効果は骨髄破壊的前処置法(MAC)いわゆるフル移植と骨髄非破壊的前処置法(RIC)いわゆるミニ移植でほぼ同等であることが、日本造血細胞移植学会(JSHCT)のATLワーキンググループの解析で確認された。名古屋市で10月14日から開催されている日本血液学会学術集会で、名古屋市立大学大学院医学研究科 腫瘍・免疫内科学の石田高司氏が発表した。

 造血幹細胞移植(HSCT)を受けたATL患者の1992年2月から2009年12月までのデータを、レトロスペクティブに解析した。

 HSCTには骨髄移植(BMT)、末梢血幹細胞移植(PBSCT)、臍帯血移植(CBT)がある。CBT以外の同種HSCTを受けた患者591人では、OS中央値は9.8カ月(95%信頼区間:7.3-13.1カ月)で、3年生存率は36%(同:32-40%)だった。一方、CBTを受けた患者187人のOS中央値は3.6カ月(同:2.9-5.9カ月)で、3年生存率は19%(同:13-26%)だった。

 CBT以外の同種HSCTを受けた患者で、多変量解析を行った結果、男性、非寛解での移植、PS 1以上、非血縁間の移植、移植片対宿主病(GVHD)グレード4が、有意な予後不良因子であった。

 次にCBT以外の同種HSCTを受けた患者を、放射線療法や化学療法による骨髄破壊的前処置法(myeloablative conditioning; MAC)を行った群(280人)と骨髄非破壊的前処置法(reduced-intensity conditioning; RIC)の群(311人)に分けた。

 その結果、MAC群のOS中央値は9.5カ月(95%信頼区間:6.7-13.1カ月)で、3年生存率は39%(同:33-45%)。RIC群のほうがMAC群に比べて56歳以上の割合は高かった(RIC群59%、MAC群11%)が、RIC群のOS中央値は9.9カ月(同:7.1-13.2カ月)、3年生存率は33%(同:28-39%)とほぼ同じだった。

 死亡について、治療関連死亡とATL再発による死亡(ATL関連死亡)に分けたところ、MAC群では3年時点で治療関連死亡が37.5%だが、ATL関連死亡は22.9%だった。一方、RIC群ではそれぞれ32.9%、34.4%であった。