イマチニブに抵抗性または不耐容の慢性期の慢性骨髄性白血病(CML-CP)患者を対象としたニロチニブのフェーズ1/2試験の36カ月の追跡結果から、細胞遺伝学的および分子遺伝学的な寛解は持続的に得られ、長期にわたり有効性が維持できることが示された。横浜市で開催された第72回日本血液学会学術集会で、東京医科大学病院血液内科の大屋敷一馬氏がAMN107/1101スタディーグループを代表して発表した。

 ニロチニブはBcr-Abl蛋白のチロシンキナーゼを選択的に阻害し、イマチニブに抵抗性または不耐容のCML-CP患者の治療に用いられる。

 イマチニブに抵抗性または不耐容のCML-CP患者におけるニロチニブの長期的な有効性と安全性を検証するフェーズ1/2試験が国内で実施され、12カ月の追跡結果が昨年報告された。今回、大屋敷氏らは、同試験の36カ月の継続治療の追跡結果を解析した。

 この試験ではニロチニブ400mgを1日2回投与し、骨髄染色体分析と末梢血のBCR-ABL定量PCRの結果に基づき、ニロチニブの有効性を評価した。

 試験に登録されたCML-CP患者は16人(男性9人、年齢中央値57歳)。CML診断からの期間の中央値は30カ月で、イマチニブ抵抗性は4人、不耐容は12人だった。BCR-ABL変異は4人に認められた。

 13人が最低36カ月の治療を完了した。投与期間の中央値は39カ月、1日投与量の中央値は612.9mg/日だった。観察期間の中央値は39カ月となった。

 細胞遺伝学的大寛解(MCyR)率、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)率、分子遺伝学的寛解(MMR)率は、12カ月ではそれぞれ93.8%、68.8%、56.3%だったが、36カ月ではそれぞれ93.8%、81.3%、81.3%に上昇した。

 BCR-ABL/BCR比は、変異があった1人を除き、12カ月から36カ月の間も低下は持続し、0.1%を下回る、または0.1%に近い値となった。

 12カ月までにMMRが得られなかった7人中、最終観察時点では3人でMMRが得られた。これらの患者ではニロチニブ400mgの1日2回の投与が継続できていた。

 最終観察日までに増悪したのは16人中1人のみで、3年無増悪生存率は93.3%だった。

 主な有害事象として、高血糖は、12カ月では全グレードで6人(37.5%)に出現したが、グレード3または4はなかった。36カ月では全グレードで8人(50.0%)、グレード3または4は2人(12.5%)に出現し、期間を経ても新たに出現する可能性が示された。

 休薬または減量を必要とした有害事象のうち、狭心症、心筋虚血、低カリウム血症、γGTP上昇、消化管出血などは12カ月では出現しておらず、36カ月で出現した。

 大屋敷氏はこれらの有害事象について、「長期的な観察においては高血糖と併せて注意する必要があることを念頭におくべき」と話した。