ステージ3結腸癌で、5FUなどのフッ化ピリミジン系薬剤による術後補助化学療法を行った患者を対象として、フッ化ピリミジン系薬剤の代謝酵素やVEGF、EGFRの発現を調べるコホート研究(B-CAST)で、予定のおよそ半数が集積されたことがわかった。B-CAST は先端医療振興財団と東京医科歯科大学の共同研究。7月13日から15日に名古屋市で開催された第66回日本消化器外科学会総会で、東京医科歯科大学大学院腫瘍外科学の石黒めぐみ氏らが発表した。

 フッ化ピリミジン系薬剤では、その代謝酵素であるチミジンホスホリラーゼ (TP)やジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)による効果予測や副作用予測が期待されているが、実用化には至っていない。その理由として「後ろ向きの研究が中心で、単施設の研究が多く、測定システムの汎用性にも問題があった」と石黒氏。このため大規模な前向きコホート研究が求められていた。

 そこで、「治癒切除結腸癌(Stage?)を対象としたフッ化ピリミジン系薬剤を用いた術後補助化学療法の個別化治療に関するコホート研究」(Biomarker-Cohort study;Adjuvant chemotherapy for STage? colon cancer : B-CAST)が2009年4月に開始された。

 B-CASTは、ステージ3の結腸癌(直腸S状部癌を含む)で根治度Aの患者のうち、カペシタビンや5-FU/l-LV、UFT/LVを中心とした治療が行われた患者が対象。ELISA法でTP、DPD、VEGF、EGFRのタンパク発現量を、PCR法でTP、DPD、TS、OPRTのmRNA発現量を測定する。また有害事象の頻度も評価する。

 さらに登録終了後1年、3年、5年に追跡調査を行い、無病生存期間(DFS)、無再発生存期間(RFS)、全生存期間(OS)を評価する。目標登録数は3000人で、現在までに約1500人が登録しているという。

 手術標本から5mm角の腫瘍組織を採取して、凍結検体として回収する。B-CASTでは、液体窒素による凍結は不要で、家庭用冷蔵庫でも新鮮凍結検体の保管が可能。凍結検体は移送業者を介して測定施設に運ばれ、データは先端医療振興財団臨床研究情報センターで解析される。当初、登録期間は2012年3月までだったが、2013年3月末まで延長されている。