同時性肝転移を有する進行大腸癌に対し、原発巣切除後に投与されたmFOLFOX6とベバシズマブの奏効率は約68%、病勢制御率は95%と良好であることが、宮城肝胆膵癌化学療法研究会による多施設共同フェーズ2試験(Miyagi-HBPCOG-004)の中間解析で明らかになった。第66回日本消化器外科学会総会で、仙台オープン病院外科の及川昌也氏らが発表した。

 同時性肝転移例は異時性肝転移例に比べて、切除後の再発が多いといわれている。そこで、研究グループは、同時性肝転移を有する進行大腸癌に対し、原発巣を治癒切除した後に、mFOLFOX6とベバシズマブを投与して肝切除を行うフェーズ2試験を実施した。

 対象は、初回治療の同時性肝転移を有し、原発巣の治癒切除を行った進行大腸癌患者。肝転移については、転移巣が10個以下、かつChild-Pugh分類Aに相当する肝機能をもっていることを条件とした。

 試験には宮城肝胆膵癌化学療法研究会(Miyagi-HBPCOG)の21施設が参加。治療はmFOLFOX6を1コース、その後、mFOLFOX6とベバシズマブを6コース、mFOLFOX6を1コース行い、4〜8週間後に肝切除を行った。主要評価項目は奏効率、副次評価項目は安全性、切除率、組織学的効果、肝転移グレードの変動、無増悪生存期間、無再発生存期間、全生存期間とした。また中間解析を行い、20人中7人(35%)以上で奏効が認められた場合に試験を継続することが事前に設定された。

 2008年6月から2009年6月までの20人を対象に中間解析が行われた。20人の平均年齢は60.8歳(38〜74歳)、男性が13人、結腸癌が14人で、直腸癌が6人。高分化癌が5人、低分化癌は13人と多く、その他が2人だった。

 その結果、20人中15人が術前化学療法を完遂した(75%)。血管腫の1人を除く19人における最良奏効は、完全奏効が2人、部分奏効が11人で、病勢安定が5人、病勢進行が1人だった。このため奏効率は68.4%、病勢制御率は94.7%と良好だった。

 術前化学療法を完遂した15人および術前化学療法を中止したが切除可能だった1人に対し、肝切除(部分切除)が施行され、68%の患者では術後合併症がなかった。

 また20人56病変のうち標的病変は46病変で、そのうち画像所見での完全奏効は4病変、部分奏効は29病変だった。一方、組織学的効果は、完全奏効が2病変、部分奏効が2病変であった。

 有害事象は20人中19人に見られ、グレード3の有害事象は9人(45%)だった。グレード3の好中球減少が4人、白血球減少が1人、ヘモグロビン減少が1人、神経障害が1人、口内炎が1人、血栓・塞栓が1人、下痢が1人だった。

 20人中7例以上で奏効が認められ、重篤な合併症もないことから、試験は継続され、2010年11月までに47人が登録している。