膵癌および胆道癌で、ゲムシタビン+S-1を用いた術後補助化学療法(GS療法)が、予後を規定する因子であることが確認された。広島大学大学院病態制御医科学外科の村上義昭氏らが、7月14日から16日まで下関市で開催された日本消化器外科学会で発表した。

 対象は、外科的切除(R0、R1)後、GS療法による術後補助化学療法を行った膵癌の80人(GS群)と行わなかった33人(C群)、GS療法を行った胆道癌の57人(GS群)と行わなかった53人(C群)。膵癌はStage II〜IV、胆道癌はStage III、IV の患者にGS療法が行われた。

 GS療法は術後6週間以内に、ゲムシタビンを第1日に700mg/m2、S-1は第1〜7日に80〜100mg/m2投与し、1 週間休薬した。10サイクルを目標に施行された。

 膵癌における10サイクルの完遂率は80%(64人)で、主な有害事象はグレード3の白血球減少が5人、食欲不振が3人だった。5年生存率はGS群が31%、C群が8%と、GS療法で有意に予後が良好だった(p<0.001)。またGS群のうち、Stage II/IIIの5年生存率は60%だが、Stage IVは0%であった。

 単変量解析では、術後GS 療法施行、リンパ節転移なし、根治度R0、pT2-3、fStage II/IIIなどが予後良好因子であることが示された。しかし多変量解析では、術後GS 療法施行とpT2-3が有意な独立した予後良好因子だった(p<0.01)。

 胆道癌では、GS療法は84%(48人)で完遂された。主な有害事象はグレード3の白血球減少が2人、血小板減少が1人だった。5年生存率はGS群が43%、C群が26% (p=0.001)。またGS群のうち、Stage IIIの5年生存率は50%、Stage IVは38%で、胆道癌ではStage IIIとIVで生存率に有意差はなかった(p=0.247)。

 単変量解析では、術後GS 療法施行、リンパ節転移無し、根治度R0が予後良好因子であり、多変量解析でも術後GS療法施行は独立した予後良好因子であることが示された。

 これらのことから演者らは、「GS療法による術後補助化学療法は、膵癌と胆道癌の生存率向上に有効性が期待される」とした。

 また膵癌で、5-FUの分解酵素であるDPD (dihydropyrimidine dehydrogenase)の免疫組織化学染色を行った結果、腫瘍内のDPD発現が低い場合、S-1投与によって高い生存率が得られるが、DPD発現が高い場合はS-1による効果は少ないことが示された。多変量解析でも、DPD発現が唯一、S-1術後補助化学療法を行った患者の予後因子だった。