切除不能進行・再発胃癌で、標準治療であるS-1+シスプラチンと、VEGFR1およびVEGFR2を標的としたペプチドワクチンの併用は安全で、抗腫瘍効果も高くなることが、フェーズ1/2試験の中間解析で明らかになった。大阪大学大学院消化器外科学の藤原義之氏らが、7月14日から16日まで下関市で開催されている日本消化器外科学会で発表した。

 フェーズ1/2試験は、S-1による治療歴のない切除不能進行・再発胃癌を対象に、S-1+シスプラチン療法に加え、腫瘍の血管新生抑制を目的にVEGFR1とVEGFR2に対するペプチドワクチン療法を併用した。

 5週間を1サイクルとし、S-1(80〜120mg/m2) を3週投与2週休薬し、シスプラチン(60mg/m2)を第8日に投与した。またHLA-A*2402陽性患者にはVEGFR1とVEGFR2に対するペプチドワクチン(各1mg)を週1回皮下注射した。

 30人が登録し、うち切除不能進行胃癌は23人、再発胃癌は7人だった。HLA-A*2402陽性は22人で、この22人にワクチンが投与された(ワクチン群)。2サイクルを完遂したのは28人(93%)だった。

 臨床効果は全体ではPRが15人、SDが12人、PDが3人で、奏効率は50%、病勢制御率は90%であり、ワクチン群の奏効率は55%、病勢制御率は100%、非投与群ではそれぞれ38%、63%だった。

 副作用はワクチン群と非投与群で有意な差はなかった。ワクチン群における主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少が5人(23%)、ヘモグロビン減少が4人(18%)、白血球減少が3人(14%)。グレード2以上の非血液毒性は、食欲不振が15人(68%)、発熱が3人(14%)で、注射部位反応が2人(9%)に見られた。

 約650日の追跡期間で、全体の無増悪期間(TTP)中央値は8.5カ月、ワクチン群は8.6カ月で、非投与群は8.0カ月、また全生存期間中央値は14カ月、ワクチン群では生存期間中央値に至っていないが、非投与群では10.6カ月だった。

 また、ワクチン群では22人中12人で免疫反応を解析したところ、VEGFR1とVEGFR2に対する特異的細胞障害性T細胞(CTL)反応が12人で上昇し、7人では強い反応性が確認された。