肝門部胆管癌術後の補助化学療法として、術式別に初期投与量を変更したゲムシタビン(GEM)とS-1の併用が、有効な集学的治療となる可能性が示された。7月16日から18日に大阪市で開催された第64回日本消化器外科学会総会で、岩手医科大学外科の高原武志氏が報告した。

 胆管癌に対する治療では外科的切除が第一選択である。しかし、治癒切除後でも再発がみられる点や、リンパ節転移陽性例が予後不良である点から、集学的治療の有用性のエビデンスを確立することが胆管癌治療の次へのステップになると考えられる。

 高原氏らは、フェーズ1試験で肝門部胆管癌、肝内胆管癌といった胆道癌の術後補助化学療法として、GEM+S-1併用療法の用量制限毒性(DLT)の判定と推奨用量(RD)の決定を行い、術後6カ月間(6コース)の投与完遂性、安全性を検討した。

 対象は、GEMが保険適応となった2007年8月から2008年12月に上記の胆道癌に対し根治術が施行された患者20人。4週を1コースとし、GEMは1日目と15日目に投与、S-1は2週投与・2週休薬として6コースまで実施した。

 RDは、拡大半肝切除では、GEM 800mg/m2+S-1 60mg/m2、膵頭十二指腸切除ではGEM 1000mg/m2+S-1 80mg/m2となった。

 「GEMと S-1の薬物代謝動態から考慮すると、術後補助化学療法として併用する場合、術式別に初期投与量を変更することが妥当と考えられる」と高原氏は話した。特にS-1の相乗効果には肝代謝が関与しており、残肝容積が重要になると考えられる。

 20人中19人が無再発生存中で、リンパ節転移症例では8人中7人が無再発生存中だ。 高原氏は今回決定したRDによるフェーズ2試験を早急に開始したいとしている。