切除不能膵癌に対するゲムシタビン(GEM)とS-1の併用(GS)療法は、ゲムシタビン単剤投与に比べて有効性が高いとする結果が示された。7月16日から18日に大阪市で開催された第64回日本消化器外科学会総会で、山梨大学第1外科の川井田博充氏が報告した。

 切除不能膵癌の治療成績はゲムシタビン単剤でも改善されるが、S-1との併用によってさらなる予後の改善が期待されている。川井田氏らは2001年からGEMの単剤投与を開始し、2006年からはGS療法を行っている。これらの治療成績について検討した。対象は、1983年12月〜2008年12月までに山梨大学医学部附属病院で治療を行った切除不能膵癌患者108人。

 3週を1クールとし、GEM 1000mg/m2を1日目と8日目に投与し、S-1 80mg/m2を1日目から14日目に投与するGS療法を施行したのは24人(GS群)。GEM単剤投与は27人(G群)で、GEMが保険適応になる前に他の薬剤で治療を受けた57人(N群)を対照とした。男女比はGS群のみ女性が多かったが、年齢中央値はいずれの群も約66歳だった。ステージIVaとIVbは、GS群で7人と17人、G群で3人と24人、N群で8人と49人。

 生存期間中央値(MST)と1年生存率を治療法別にみると、GS群は9.1カ月、31.9%、G群4.9カ月、14.8%、N群4.0カ月、10.5%と、GS群で有意に良好であった。

 なお、局所進行切除不能膵癌で遠隔転移陰性例には対外照射56Gy+GEM400mg/m2/週の投与を行った後、上記のGS療法を行っている。この放射線治療+GS療法を行った患者41人について、MST、1年生存率を治療法別にみると、有意差は得られなかったものの、3群の中ではGS群が最も良好だった。予後延長に放射線治療+GS療法が寄与する可能性も示された。