久留米大学癌ワクチングループによって開発されたテーラーメイド癌ペプチドワクチン療法は、ゲムシタビンとの併用で切除不能な膵癌に有効とする可能性が示された。19人の患者を対象に行われたフェーズ2試験の結果について、7月16日から18日まで大阪市で開催されている第64回日本消化器外科学会総会で、関西医科大学枚方病院外科の柳本泰明氏が発表した。

 このワクチンは、HLA-A24に拘束性の26種類、HLA-2拘束性の29種類のペプチドと患者の末梢血を使って、膵癌に対する免疫反応を誘導できるペプチドを最大4種類選んで投与するもの。

 フェーズ2試験は、切除不能膵癌患者(HLA-2または24が陽性の患者)を対象に、8週間を1コースとして行った。ゲムシタビン1000mg/m2は1週目から3週目と5週目から7週目に投与し、ワクチンは1種類当たり3.0mgを毎週投与した。主要評価項目は1年生存率。病期はすべて4期だった。

 試験の結果、1年生存率は42%、全生存期間中央値が9.5カ月、奏効率37%、疾患制御率84%となり、ゲムシタビンの単独投与で得られる数値を上回っていた。

 一方、副作用は、グレード3/4の血液学的毒性は、好中球減少症が6人(35%)、ヘモグロビン減少が4人(23%)だった。非血液学的毒性では全グレードで94%にあたる16人に食欲不振が見られた。ワクチン関連毒性ではグレード1/2の皮膚炎症反応が71%、リンパ浮腫が41%の患者に見られた。