局所進行子宮頸癌患者に対する周術期化学療法として、シスプラチンとdose denseパクリタキセル併用療法(ddTP療法)の有効性と安全性を検討するフェーズ2のSGSG013試験から、術前ddTP療法による奏効率は94%、病理学的完全奏効(pCR)率は28%となり、pCR率はこれまでに報告された臨床試験の中で最も高い値となったことがわかった。7月19日から21日まで東京・台場で開催された第54回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で、兵庫県立がんセンター腫瘍内科の谷岡真樹氏が発表した。

 谷岡氏らは、ddTP療法を進行子宮頸癌に対し最も有望なレジメンと仮定し、術前および術後の補助化学療法としてのddTP療法と広汎子宮全摘術により、放射線療法を省略しても、化学療法併用放射線治療(CCRT)と比べて良好な無再発生存率(RFS)とQOLが得られる可能性があると考えた。

 SGSG013試験の対象は、治療歴がないIB2、IIA2、IIB期の子宮頸癌で、PET-CTまたはCTで傍大動脈リンパ節転移や遠隔転移を認めない患者とした。年齢は20-70歳、PSは0-2であることととした。

 ddTP療法として、シスプラチン75mg/m2を1日目に、パクリタキセル80mg/m2を1、8、15日目に投与し、21日毎に繰り返した。

 術前にddTP療法を3サイクル行い、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)が得られた患者には、広汎子宮全摘術を施行し、術後にddTP療法を2サイクル行うこととした。安定状態(SD)の患者には、状況により、広汎子宮全摘術、または広汎子宮全摘術および/または(化学)放射線療法を行うこととした。進行(PD)または重篤な有害事象を認めた患者には、広汎子宮全摘術および/または(化学)放射線療法を行うこととした。

 同試験の主要評価項目は2年RFSだった。今回は副次的評価項目から、術前化学療法の奏効率、pCR率、安全性、ddTp療法の5サイクルの完遂率が報告された。pCR率はすべての切除標本で悪性腫瘍のエビデンスを認めないこととした。

 2010年8月から2012年6月までに51人が登録され、年齢中央値は52歳、PS 0が43人、1が8人だった。病期ではIIB期が34人と最も多く、IB2期が14人、IIA2期が3人だった。組織型では扁平上皮癌が41人と多くを占めた。

 評価可能だった患者は50人で、術前のddTP療法によりCRは18人(36%)、PRは29人(58%)で得られ、奏効率は94%となった。SDとなった3人のうち、1人はMRI上長径で29%縮小し、手術時はpCRだった。pCR率は50人中14人(28%)で得られ、扁平上皮癌で13人、腺癌で1人だった。

 ddTP療法を5サイクル完遂したのは35人(69%)だった。術前に中止となったのは、パクリタキセルによるグレード4の過敏性反応が発現した1人(2%)のみで、この患者にはCCRTが行われた。

 グレード3/4の血液毒性として、好中球減少は34%、白血球減少は12%、貧血は6%に発現した。発熱性好中球減少が発現したのは1人のみ(2%)だった。グレード3/4の非血液毒性として、悪心は12%、疲労感は6%に発現した。
 
 今回得られた術前補助療法のpCR率は、術前補助療法+手術を前向きに検討した近年の主な臨床試験と比べ、最も高い値となった。

 谷岡氏によると、IB2、IIA2、IIB期の子宮頸癌患者を対象として、ddTP療法による術前化学療法と再発高リスク群に対する術後化学療法を検討するフェーズ2のSGSG014試験も、現在進行中であるという。