複数レジメンによる治療歴を持つプラチナ抵抗性再発卵巣癌に対してノギテカンを投与したところ、奏効率は26.9%だったことから、有効な治療選択肢の1つとして考慮されることが示された。愛知県がんセンター中央病院婦人科の河合要介氏が、7月19日から21日まで東京都内で開催された第54回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で発表した。

 卵巣がん治療ガイドラインでは、プラチナ抵抗性再発卵巣癌に対する化学療法として、初回治療と交差耐性のない単剤治療を推奨している。2011年にはノギテカンが公知申請によって「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」の効能・効果で承認を取得しており、プラチナ抵抗性再発卵巣癌への化学療法に新たな選択肢が増えた。

 今回、河合氏らは、プラチナ抵抗性再発卵巣癌患者に対するノギテカン投与の臨床経験を元に、臨床効果と安全性について後ろ向き解析した結果を報告した。

 対象は、2004年11月から2013年5月までに同院でノギテカン単剤での治療を開始したプラチナ抵抗性再発卵巣癌患者26例。ノギテカンは、21日を1コースとし、1.2〜1.5mg/m2をday1-5に投与し、病勢進行(PD)になるまで投与した。

 年齢中央値は60歳(範囲41-76)、FIGOステージはIIIが69.2%と最も多く、IVは19.2%、Iは11.5%だった。病理組織型は、漿液性腺癌が84.6%を占めた。

 前治療レジメン数は、4レジメンが最も多く38.5%で、次いで1レジメンが19.2%、2レジメンと5レジメンがそれぞれ15.4%、3レジメンが7.7%、7レジメンが3.8%だった。

 ノギテカンの初回投与量は、1.5mg/m2が20例、1.2mg/m2が6例で、投与コース数中央値は4(範囲1-14)だった。

 ノギテカンを投与した結果、全生存期間中央値は12.4カ月(95%信頼区間:6.8-22.8)、無増悪生存期間中央値は3.8カ月(同1.9-7.8)だった。部分奏効(PR)は26.9%、安定(SD)は19.2%、PDは53.8%で、病勢コントロール率は46.2%となった。
 
 グレード3以上の主な有害事象は、好中球減少症が61.5%、白血球減少症が53.8%、貧血が42.3%、血小板減少症が26.9%。ノギテカンの減量が必要となった患者は6例だった。

 ノギテカン投与中止に至ったのは22例で、理由はPDが18例、有害事象が3例、その他が1例だった。4例は現在も投与を継続している。

 河合氏はこれらの結果から、「複数レジメン使用後の再発卵巣癌において奏効率が26.9%だったことから、ノギテカンの有効性は高く、プラチナ抵抗性再発卵巣癌への治療選択肢として十分に考慮される。ただ、骨髄抑制の頻度が高いため、リスクを十分に評価した上で慎重に投与する必要がある」と語った。高齢、腎機能低下、治療期間が長い患者では、初回投与量を1.2mg/m2まで減量するなどの工夫が必要であると指摘している。

 今回、血液毒性の発現率が高かったことから、今後は最適なノギテカンの初回投与量、投与タイミングについてさらに検討したいと河合氏は語っている。