局所進行子宮頸癌に対し、同時化学放射線療法(CCRT)で用いる化学療法はシスプラチンを含むレジメンが推奨されている。現在、シスプラチンとパクリタキセル併用のフェーズ2試験が実施されているが、同レジメンは有効で毒性も低い可能性が単施設での治療成績を解析して示された。7月19日から東京で開催された第54回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で、がん研有明病院婦人科の馬屋原健司氏らが発表した。

 CCRTにおいて欧米ではシスプラチン40mg/m2の週1回投与が標準となっており、日本でもフェーズ2試験(JGOG1066試験)の結果から、局所進行子宮頸癌に対し高線量率腔内照射を用いた場合のCCRTではシスプラチン40mg/m2の週1回投与(5コース)が有効であることが確認されている。

 一方で、再発・進行子宮頸癌では、シスプラチン単剤よりもシスプラチンとパクリタキセルの併用が有効であると報告されている。また子宮頸癌扁平上皮癌に対し、基礎的な研究で、パクリタキセルは放射線治療増感作用があり、シスプラチンとの併用で相乗効果が認められている。GOG9803試験(フェーズ1/2)では、シスプラチンとパクリタキセル併用によるCCRTの有効性が示されていた。

 そこで同施設では、根治的放射線療法の適応がある子宮頸癌患者を対象に、シスプラチンとパクリタキセルを併用したCCRTのフェーズ1試験を2005年10月に開始。併用療法による毒性を考慮し、シスプラチンは30mg/m2に固定し、パクリタキセルは30mg/m2(レベル1)から70mg/m2(レベル5)として週1回投与を行った。この結果、シスプラチン30mg/m2、パクリタキセル50mg/m2が推奨用量と決定した。
 
 またグレード3以上の有害事象は、好中球減少が35%、貧血が25%、下痢が5%であった。全症例20人での完全奏効(CR)割合は85%、組織別では扁平上皮癌で87%、非扁平上皮癌で60%だった。
 
 フェーズ1試験の結果を受け、2009年12月から全国8施設でフェーズ2試験(JACCRO GY-01)を開始。対象は、遠隔転移のない切除不能の局所進行(IIIa、IIIb、IVa期)子宮頸癌患者。主要評価項目は2年無増悪生存割合、副次評価項目は化学療法および放射線療法の完遂割合、CR割合、有害事象等とした。2012年10月までに70人の患者登録が終了し、2014年10月までが追跡期間となっている。

 また馬屋原氏は自験例を報告。シスプラチンとパクリタキセルによるCCRTを行った50人(IIb期21人、IIIb期29人)における治療成績を報告した。JGOG1066試験やJACCRO GY-01試験に登録した患者は除外した。

 観察期間中央値は2.9年、2年無増悪生存割合は72%、2年生存割合は92%、CR割合は96%、遠隔転移が22%、化学療法完遂割合は90%だった。病期別では、2年無増悪生存割合はIIb期患者では80%、IIIb期では68%、2年生存割合はそれぞれ95%、90%、CR割合は100%、93%であった。

 グレード3以上の血液毒性は、白血球減少が78%、好中球減少が46%、貧血が10%だった。グレード3以上の非血液毒性はなかった。この結果について馬屋原氏は「シスプラチン+パクリタキセル併用とシスプラチン40mg/m2では血液毒性はほぼ同等だが、シスプラチン40mg/m2に比べ30 mg/m2にすることで消化器毒性は軽減されているだろう」と話した。