子宮体癌患者では、従来考えられていたよりも高率に傍大動脈リンパ節領域へ転移している可能性があり、この部位の転移検索には高感度でセンチネルリンパ節が検出可能なRI・色素併用法が有用である。慶応大学産婦人科の片岡史夫氏が、21日まで東京都内で開催されていた第52回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で発表した。

 これまで早期子宮体癌患者では、傍大動脈リンパ節(PAN)領域への転移頻度が低いとされており、PAN領域におけるセンチネルリンパ節の検出率に関する報告は少ない。
 
 片岡氏らは、色素法単独よりも高感度なRI・色素併用法を用いて、PAN領域のセンチネルリンパ節の検出率と転移頻度を検討した。

 対象は、2009年3月から2011年11月に病理組織学的に子宮体癌と診断され、系統的リンパ節郭清を含む手術を予定した、術前の臨床進行期I〜II期の患者51人。手術進行期分類はI期が29人、II期は6人、III期は16人だった。

 手術前日は、子宮体部腫瘍の周囲に99mTc-フチン酸コロイドを子宮鏡による直視下で局所注射し、投与13-15時間後にリンパシンチグラフィーを撮影した。術中は、γプローブで検出を行うRI法と、術中にインドシアニングリーンを子宮体部漿膜下に局注して観察する色素法を併用(31例)。RI投与が実施不可能な施設では、色素法単独で行った(20例)。全例で、子宮全摘、両側付属器切除、後腹膜リンパ節郭清を実施し、摘出リンパ節を病理学的に検討した。

 その結果、全ての患者(51例)でセンチネルリンパ節を検出できた。

 検出されたセンチネルリンパ節の平均個数は、RI・色素併用法で6.0±2.0個、色素法単独で4.0±2.0個で、RI・色素併用法でセンチネルリンパ節の検出個数が多い傾向が確認された。センチネルリンパ節が検出された部位を見ると、PAN326b2(右)、閉鎖節、外腸骨節の順に多かった。

 PAN領域のセンチネルリンパ節に限って解析すると、センチネルリンパ節検出個数はRI・色素併用法で2.3±1.0個、色素法で1.1±1.4個となり、色素法単独では有意にセンチネルリンパ節の検出個数が少なかった(p<0.05)。またPAN領域でセンチネルリンパ節が検出できなかった患者の割合は、RI・色素併用法で3.2%、色素法単独で40.0%だった(p<0.05)。

 センチネルリンパ節に転移を認めた12例中9例(75%)でPANへの転移が確認され、そのうち7例の転移部位はPAN326b2(右)だった。

 片岡氏は、センチネルリンパ節転移のあった患者の75%でPANへの転移が認められたことから、「微小転移を含めたPANへの転移頻度は、従来考えられているよりも高い可能性があり、PAN領域の転移検索は必要である」と指摘。その上で、より高感度にセンチネルリンパ節を検出できたRI・色素併用法を用いて、転移を検索することが望ましいとの考えを示した。