腫瘍径4cm以上のステージIIBまたはIIIBの局所進行子宮頸癌に対する同時化学放射線治療は、アジア地域の患者においても安全で有効な治療法である可能性が報告された。アジア8カ国で行われた国際共同臨床第2相試験の5年間の追跡結果について、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科の加藤真吾氏が、7月19日から21日に東京都で開催された第52回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で発表した。

 欧米ではIII期やIVa期の標準治療として、シスプラチンを含む同時化学放射線治療を強く推奨している。一方、日本において同時化学放射線治療は、IIB期の治療選択肢として広汎子宮全摘出術とともに示されているほか、III期からIVa期の治療法として推奨されている。しかし、欧米とは放射線治療の対象者や照射法が異なることから、エビデンスの集積が続けられている。

 そこで加藤氏らは、東〜東南アジア地域8カ国における局所進行子宮頸癌患者を対象に、同時化学放射線治療の長期的な安全性と有効性を検討するため、国際共同臨床第2相試験を行った。
 
 対象は、2003年4月から2006年3月に登録された腫瘍径4cm以上のステージIIBまたはIIIBで、20-70歳の未治療の子宮頸癌の扁平上皮癌患者120人。各国の患者数は日本が32人、中国が18人、インドネシアが5人、韓国が10人、マレーシアが14人、フィリピンが12人、タイが19人、ベトナムが10人だった。

 同時化学放射線治療のプロトコルは、外照射については1フレームあたり1.8-2Gyとし、全骨盤照射30-40Gyと中央遮蔽照射10-20Gyとした。腔内照射については、高線量率照射の場合は24-28Gy/4フレーム、低線量率照射の場合は40-45Gy/1-2フレーム。化学療法は、1週あたりシスプラチン40mg/m2を5週間投与した。5年局所制御率、5年生存率、遅発性の有害事象の発生率などについて評価した。

 5年間追跡可能だった患者の割合は98%だった。観察期間中央値は63カ月。

 患者背景は、平均年齢が51歳(範囲:28-70歳)、ステージIIBが50%、IIIBが50%を占めた。腫瘍径が6cm超の患者は33%存在した。治療前の診断で、腹部CTを撮影できた患者の割合は61%、骨盤MRI撮影は37%で、その多くは日本と韓国の患者だった。腔内照射で高線量率照射を実施した患者は88例、低線量率照射は32例だった。全治療時間中央値は49日。

 5年間のフォローアップ期間において、局所再発が20%、遠隔転移が37%の患者で見られた。

 5年局所制御率は76.8%、5年生存率は55.1%だった。

 5年間のグレード3以上の遅発性有害事象発生率は、直腸で7.9%、膀胱で0%だった。膀胱におけるグレード2の遅発性有害事象発生率は11.8%。

 加藤氏はこれらの結果から、「この同時化学放射線治療のプロトコルは、東〜東南アジアの局所進行子宮頸癌患者に対して有効で安全であることが示された」とまとめた。